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ATO通信

 
5160号 秘密証書遺言の活用法

平成17年9月30日 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室

 若貴問題は相続放棄という、意外な結末で幕を閉じました。典型的な'争族'に発展し、だから遺言を用意しておきましょう、と筆者も準備をしておいたのですが…さて、"遺言"については、本誌でも何度か取り上げてきましたが、今回は、別の角度から、特に秘密証書遺言にスポットを当ててみました。

1.公正証書遺言は確かに安全ですが…

 ATOでも遺言書作成のお手伝いは数多く手がけてきました。その大半は公正証書遺言です。法的な安全性や後々のトラブル回避のためには、これに勝るものはないからです。ただ、公正証書遺言を作成したときのお客様のご不満で最大のもの、それは公証人の手数料。不動産については固定資産税の評価額を元に算出することになっています。評価証明を提出するため、ごまかすこともできません。それに、相続税の評価なら借地人のいる底地の場合、借地権割合を控除した額になるため更地に比べれば割安です。が、公証人の手数料は総て更地価額で計算されるため、地主さんにとって割高に。ちょっとした地主さんで40〜50万円は覚悟した方がよさそうです。また、預金の額も多ければ多いほど、手数料にはね返ります。しかし、ここは一工夫。預金の具体的な金額を明示せず、銀行名や口座番号だけで財産を特定させればよいのです。さすがに残高証明までの提出は求められないので、聞かれたら、全部で100万円程度とでも答えておきましょう。

2.公正証書遺言は公証人が本人意志を確認

 先般も遺言書の作成をご依頼頂いたのですが、このお客様にはちょっと問題がありました。普段は意志の疎通も可能なのですが、ご高齢であることもあり、長時間の緊張が続きません。細かなことが面倒になってしまい、会話が続かないのです。公正証書遺言を作成する場合、公証人は事前に準備した遺言を遺言者の前で読み上げます。そして、最後にこれで間違いないかを遺言者に確認し、署名、実印の押印となっていくのです。財産が多い場合、遺言を読み上げるだけでも結構時間がかかります。この一連の作業をこなせるかどうか、そこが問題だったのです。その遺言が本人の意思であることは、公証人にとっては最大の確認のポイントです。家族であれば解ることが、他人である公証人に理解できない場合、公正証書にすることはできなくなってしまいます。

3.秘密証書遺言なら

 こんな時は秘密証書遺言でこの難局を乗り切るより方法がありません。秘密証書遺言とは、事前に作成した遺言書に署名、押印の上封印します。それを証人とともに公証人に提出し、自分の遺言であることを申し述べるのですが、内容については一切触れる必要はないのです。公証人はそれが遺言であることと日付を封筒に記載し、遺言者、証人及び公証人全員で署名、押印をすれば出来上がりです。
 また、自筆証書遺言のように、総てを自筆で作成する必要もありません。自署の署名さえあれば、遺言の本文はワープロで作成してもよいのです。遺言書に押したものと同じ印で封印する事が必要ですが、決して難しい問題ではないでしょう。極めて簡単にできてしまうためか、公証人の手数料は僅か11,000円。費用は格段に節約ができます。

4.秘密証書遺言の問題点

 実は、簡単にできてしまうからこそ、問題がない訳ではないのです。公証人が確認したことは、封筒の中身が"遺言者によれば"、遺言であると言っても遺言であると言っていること及び日付だけです。遺言者の真実の意志かどうかは保証の限りではなく、後日、内容については問題になることが無いとは言い切れないのです。その意味では、単なる"確定日付"と似ていると考えてもいいでしょう。
 また、その遺言書の保管も問題です。公正証書の場合には、原本は公証人役場に保管されています。たとえ控え2通が両方ともなくなっても心配はありません。一方、秘密証書に控えはないのです。信頼できる人間に保管を託し、実際に相続が起きた場合には、必ず遺言書があることを明示して貰いましょう。ただ、家庭裁判所で検認という手続きをして開封する作業が必要になってきます。
 いずれにせよ、公正証書の方が望ましいことは確かです。ただ、公証人による確認作業が困難な今回のようなケースでは、何の遺言も作らないよりはるかに安心です。若貴兄弟のような確執が無い場合であっても、です。

執筆者:阿藤 芳明

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