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ATO通信

 
5173号 税務調査の是認と省略

平成18年10月31日 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室
 税務署からの『是認通知』なるものをご存じでしょうか? 税務調査の結果、特段の申告漏れや処理上の誤り(これを「非違」と言います)がない場合、申告内容が適正であったことを書面で通知するものです。ところがこの書面、来る場合も来ない場合もあるのです。その訳は税務署にもこんな裏事情があって……

1.税務調査の是認通知とはこう言うもの

 先ずは是認通知の内容をご説明しましょう。正式なタイトルは「調査結果についてのお知らせ」です。次のような文言が記載されています。
  《さて、あなた(貴社)の○○税について、調査を実施いたしましたところ、現在までの調査の結果によると、問題とすべき事項はなく、適正な申告と認められましたので、お知らせします。なお、今後とも適正な申告と納税にご協力をお願いします。》と、いたって簡単なものです。但し、税務署は用心深いところがあって、欄外にこんな記載の捨てゼリフと言うか負け惜しみを忘れていません。【本文書は、現在までの調査の結果を通知するものであって、再調査によって是正することもあり得ます。】
  つまり、“今回の調査では残念ながら非違を発見できなかったけれど、それは税務署も限られた時間内で結論を出す必要があったためである。あくまでも現時点で非違が発見できていないだけで、将来に亘って適正であることを保証するものではない。スキあらば、いつか必ずしっぽを捕まえてやるぞ”と言いたいのです。 

2.非違なしは必ずしも是認にあらず

 調査で非違がないと言うことは、修正申告を提出する必要もなく、また更正される心配もないと言うことです。それなら、非違がなければ必ず上記の是認通知が来るのでしょうか。結論を言えば、いつも是認通知が来るわけではありません。税務署的には両者はイコールの関係にはないのです。一体どういうことなのでしょう?
 調査をする場合、相続税・所得税等の税目に関係なく、調査官としては必ず“成果”が期待されています。大の男が時間を使って調査にきたのです。仕事をした証が必要であることは言うまでもありません。調査官を営業マンと考えればお分かりになると思います。非違を発見し追加の税金を課税して、初めて男になれるのです(この頃は女性の調査官も増えましたが)。できれば大きな非違を発見し、手柄にしたいところです。この非違の額を増差(増減差額のこと)と言いますが、増差が大きければ大きい程お手柄なのです。
  それはいいとして、調査をした場合、その結果について報告書を作成しなければなりません。報告書にはその調査に要した日数と経過、最終的な増差が記載されますが、その日数がミソなのです。 

3.報告書は真実を語らない!

 調査に要していい日数は、事案の規模や内容により概ね決められています。ここで日数とは実際に現場に臨場した日数のみならず、準備や取引先等への反面調査、報告書作成に要する日々等の合計です。決して十分な余裕などありません。増差をノルマとして課することは無理ですが、年間の調査件数は決められています。件数はどうしてもこなさなければならず、調査官も忙しいのです。はっきり言えば、調査官は日数との勝負なのです。そして当たり前のことですが、日数を掛ければ増差がでるわけではなく、両者には相関関係は無いのです。しかし、現実問題として、10日も20日も日数を要して、増差がわずか20万円では洒落にもなりません。
  そこで実務ではどうするか? 日数を適当に割り振るのです。増差の多い事案に実際以上の日数を乗せ、少ない事案の日数を削るのです。増差が多ければ多少日数が多くても見栄えは悪くはないし、上司の通りもいいからです。

4.是認が続けば省略という手も…

 さて、そうは言ってもさすがに是認は上司に報告しにくいもの。特にそれが続いたときなど、調査官としての自信も失ってしまいます。で、こんな時はそもそも調査をやらなかったことにする手があります。それが"調査省略"と言う方法で、調査をしなかったのだから報告もいらないと言うことになる訳です。この場合、納税者である調査の対象者に対しては、最後まで疑問点、問題点がある事を強調。しかし、税額の是正までは必要としない指導に留める旨の説明をします。問題が無い訳ではないので是認通知は出ないのです。何とも姑息な手段ですが、納税する側からすればお咎め無しで調査が終了し、めでたしめでたしです。
  調査が終了し、是認通知が出ない旨を調査官が説明するときには、筆者は決して深くは追求しません。それが男の優しさ、武士の情けだと、調査経験者である筆者は考えています。

執筆者:阿藤 芳明

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