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ATO通信

 
5176号 不動産取得税の功罪

平成19年1月31日 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室
不動産を売却したとき、最も気になるのはいわゆる譲渡税です。逆に購入したとき忘れてならないのが本日のテーマである不動産取得税ですが、譲渡税ほどには一般には負担が重くないので軽視しがちです。
しかし、その対象が大きな建物である場合、この負担があると無いとは天地の差。土地の固定資産税にまで影響を及ぼすことにもなるからです。
前号に引き続き、今回も地味ながら地方税シリーズで迫ってみました。

1.不動産取得の意義

   不動産取得税は、個人・法人を問わず文字通り土地や建物の不動産を取得したときに課税される税金です。その取得が有償か無償かに関係なく、原因も売買・交換・贈与・寄付等どんなものでも課税の対象となります。但し、相続で取得した場合にはその対象から外れます。
  問題はいつを以て不動産の取得とされるかです。
教科書的に言えば、"契約内容その他から総合的に判断して、現実に所有権を取得したと認められるとき"となるでしょうか。ここで売買の場合の移転登記の有無は全く関係がありません。登記は無関係というものの、実は建物の取得の時期をめぐって問題になった事例があり、これについての詳細は後述することにします。
  なお、建築業者が建築した建物については、基本的には課税はありません。しかし、6ケ月以内に他に売却できないときに限って課税されることになっています。

2.建築途中の不動産売買

 上述の問題の事例です。都心の一等地をお持ちのお客様が1階を店舗、2階以上を賃貸マンションとする建物の建築をしておられました。当初は収益物件として賃貸収入を期待なさっていたのですが、竣工後には高額な売却価格が見込めることが判明。ご自身での賃貸経営よりも売却して換金化する方向に計画を変更なさったのです。
  いわゆる投資家にとって、この物件は場所柄や収益性から見て垂涎の的、程なく買い手も見つかりました。と、そこまでは良かったのですが、事後に思わぬ問題が生じてしまったのです。

3.表示登記が引き渡しと認定!

 その問題とは不動産取得税です。お客様としては完成前に売却をしたつもりであるため、当然の事ながら建物の不動産取得税など、自分には関係のないこと、買い手が負担するものだと思っておられたのです。時系列に沿って整理してみましょう。売買契約を平成17年11月に締結、18年1月上旬に完成引き渡しの予定でした。ところが買い主側の要望で、借り入れの都合上、建物の存在が明示されなければならないとのこと。急遽17年12月末に表示登記(『用語の解説』参照)を売り主であるお客様名でする事になったのです。
  この時点ではまだ引き渡しはなされていないため、建物は売り主のものです。
  さて、不動産取得税を課税する東京都はこの表示登記に着目をしました。登記とは本来万人に義務付けられているものではありません。自分の権利を保護しようとする人がやればいいものです。    
  しかし、建物が竣工した場合、建物の存在を明示する表示登記だけは、一ケ月以内にしなければならないことになっています。表示登記がなされたと言うことは、逆に言えば建物が竣工したことを自ら証明した事にもなるのです。 

4.不動産取得税の課税は必ずしも災難ならず!

 さて、買い主の融資への協力のための表示登記で、売り主は不動産取得税の課税を受けることになってしまいました。税額的にも結構な負担です。
  しかし、悪いことばかりではありません。このことが土地の固定資産税にも影響を与えることになったのです。この建物、1階こそ店舗ですが、2階以上は総てマンションのため、敷地は大半が住宅用地と位置づけられます。実は店舗や工場、オフィス等のような建物の敷地と異なり、住宅用地には固定資産税の課税上大きな特例が用意されているのです。これは小規模住宅用地の特例と言い、その土地の上に住宅があることが前提なのです。
  具体的には、200u以下の部分について、土地の固定資産税の税額が1/6に、200u超の部分は1/3に減額されるというもの。マンション等の集合住宅については200uの戸数倍までの面積の土地がその対象となりますが、建物の床面積の10倍が限度です。都市計画税にも類似の制度があり、この特例の適否は両税合計で相当額の影響を与えることになります。これらの判定時期は1月1日。 
  つまり年末に表示登記をしたため、引き渡しまでの1月分だけではありますが、土地の固定資産税が約1/6と大幅な減額となったのです。 
  建物の不動産取得税の負担はありましたが、冷静になってトータルで考えたとき、それ程の負担増にはなっていなかったのです。更に買い主に感謝されたことは言うまでもありません。人間万事塞翁が馬、と言う言葉もありますが、建物の竣工、引き渡しは十分な注意の上にも注意が必要です。

執筆者:阿藤 芳明

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