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ATO通信

 
5177号 成年後見人

平成19年2月28日 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室
成年後見人の制度をご存じでしょうか。お年を召され、或いは認知症等のために、判断能力が不十分な方を法的に保護し支えるための制度です。社会的には確かに必要な制度ではありますが、資産家の方々には要注意。結論としては、やむを得ない場合を除き、利用しない方が無難な場合も多いようです。

1.成年後見制度の概要

  具体的な手続きとしては、先ず家庭裁判所に対して、成年後見人の申請をします。家裁はその申請に基づいて成年後見人を選任しますが、実はその選任が問題なのです。詳細は後述しますが、申請者の期待通りの人物にはならない事もあるからです。それはともかく、選任された成年後見人は、被後見人の@財産の管理A身上監護(こんな言葉があるのだそうです)をしてBその結果を家裁に報告する事が要求されます。被後見人を保護し、助けることが目的ですので、被後見人にとって不利になる行為は一切できないことになっています。それを家裁が報告を通じて監督し、不適切な行為があれば解任できる仕組みです。

2.本人確認がネックに!

   底地を多数お持ちの、ある地主さんの事例です。高齢でもあり、将来の相続も考え底地の整理を進めていらっしゃいました。底地の売却や逆に借地権の買取り、更には物納の準備と作業は山盛りです。その中で底地を譲って欲しいという話がいくつか出てきたのです。ところがご本人は認知症が進んでいて、とても自らの意思で売買の判断などできる状況ではありません。以前はこんな場合でも、親族の方が代理で売買してしまうこともよくあったのですが、昨今はそれ程簡単ではありません。登記に際し司法書士に本人確認が義務付けられており、本人の意思でない売買には協力を得られないためです。登記と無関係の不動産売買は考えられません。司法書士の協力は必須なのです。

3.後見人に財産の処分は原則できない

  そこで成年後見制度の活用を検討したのです。身近にいらっしゃる奥様が適任とは衆目の一致するところ。ところが、家裁に対し奥様を後見人として申請したところ、意外な回答だったのです。身上監護については奥様が後見人で問題はないのですが、財産の管理についてまでは奥様にその権限を与えてくれなかったのです。法律行為であるため弁護士を選任するというのです。それも当方の申請する弁護士ではなく、あくまでも家裁独自で選任する弁護士です。つまり、こちらの意向に沿わない弁護士の可能性も大いにあり得ることに。更に言えば、そもそも被後見人の財産の処分を、後見人は原則として行わないのだそうです。居住用の財産の処分については家裁の許可が必要ですが、それ以外の財産であっても、後見人の同意は得られないのが実態のようです。無理をして強行突破を試みても、奥様が後見人を解任されては元も子もない話、結局、選任の申請を取り下げることになったのです。 

4.財産が多額な場合の後見人

  制度発足当時は財産管理を含めて、配偶者が後見人に選任されることは珍しくはなかったそうです。しかし、財産がある程度以上ある場合、相続人がこの制度を悪用するケースが頻発したため、財産管理については家裁が公募した弁護士の中から選任するようになったとか。但し家裁やその支部、出張所によっても取扱いは様々なようですが、東京・霞ヶ関は間違いなく厳しい対応です。それはともかく、結果として、将来の相続のためにと思っても、奥様が被後見人の財産を売却は勿論、贈与も貸付もできないことになっています。後見人に選任された以上、身内ではあってもあくまで『他人の財産』といった意識で被後見人の財産を管理する必要があるわけです。しかし、財産の処分に厳し過ぎる制約が課されると、相続のための準備は何もできなくなってしまいます。

5.駐車場をやめて所有型法人の建物建設

  こんな事例もありました。既に一人息子のご長男と弁護士が二人で後見人の選任を受けておられるケースです。従前は青空駐車場として活用していたのですが、場所柄、駐車場ではもったいないと、賃貸住宅の建築計画が持ち上がりました。このケースではどれ程賃貸住宅の利回りが確保できても、被後見人の名義で賃貸住宅の建設は認められません。賃貸住宅の建設は評価の面でも相続税対策になるのですが、それもできないのです。そこで息子さんの法人が土地を借り受け、法人名義で建物を建築です。これも後見する上での不動産の処分に該当するのですが、本人の居住用ではないため家裁の許可は不要です。結局、法人が被後見人に支払う地代を従前の駐車場以上にすることで、弁護士である後見人の了解を取り付けることができました。被後見人を保護するための制度ではありますが、ひとたび後見人が選任されると財産の処分も活用も一切のことに制限が加わります。活用に当たっては、相続対策などできなくなることを念頭に置いて、十分な検討が必要です。

執筆者:阿藤 芳明

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