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ATO通信

 
5186号 借地権がタダで戻ってくる???

平成19年11月30日 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室
地主さんにとって、何と言っても頭の痛いのは借地人との権利関係でしょう。しかし、もし借地権がタダで返ってくるとしたら如何でしょう?喜びも束の間、贈与税か何かでごっそり税務署に持っていかれてしまうのでしょうか?タダで借地権が戻ってきた地主さんの事例を中心に、その周辺の課税関係を個人地主の立場で探ってみました。

1.借地契約に違反があれば…

 地代を支払わない、住居として使用する約束がいつの間にか店舗になっていた等々本来の借地契約の定めに違反があれば、問題は比較的簡単です。契約違反として借地契約を解除することが可能になるからです。若干の弁護士費用はかかりますが、晴れて地主さんの土地は更地となって戻ってくることでしょう。

2.借地人が破産したら

 借地人との人間関係が非常に円滑だった事例です。借地人の事業が行き詰まったのでしょうか、地代が滞るようになってきました。借地人の方も会えば申し訳なさそうに挨拶をし、滞納を気にはしていたようです。しかし、遂に破産を覚悟する段階になりました。ひとたび破産となれば鵜の目鷹の目の債権者のこと、借地権に注目し換金化を要求することは必至です。
 そこでこの借地人、お世話になった地主さんに対し、弁護士と相談して一計を案じます。破産をする前に借地権を地主さんに対し、無償で返還をしてしまったのです。債権者に取られる位なら、地代を滞納しているお詫びと、何と言っても長年お世話になった感謝の念。今時珍しく浪花節の世界のようではありますが、地主さんとはこの返還で総て円満解決です。但し、地主さんも全くの無償で済ませる訳にもいかず、100万円程の引っ越し費用を負担したとか。

3.単純に“もうお返しします”と言う例も!

 こんな例もありました。都内での老夫婦二人暮らしの借地人の例です。ご主人が亡くなり、奥様一人の状況になってしまったのです。お二人にはお子さんが一人おられたようで、間もなく母親である奥様を引き取ることに。地主さんとしては当然の事ながら借地権について、何らかの話が出ることを覚悟していました。60%となっているその場所の借地権割合を考慮して、相場で借地権を買い取るつもりはあったのです。45坪ながら路線価で計算しても3,000万円は下りません。ところが何と借地人の方から出た言葉は『借地権をお返しします』だけ。ただ、老朽化した建物はそのままで、取り壊しは地主さんの方ですることになりました。地主さんも初めは我が耳を疑いほくそえんだものの、俄に税金の心配が脳裏をよぎったのです。何しろ時価で何千万円もするものを、ほとんどタダで貰ったことになるのですから。

4.得をした分は贈与税の対象か?

 とにもかくにも、上記のいずれの例も念願だった借地権がタダで返ってきました。問題の税金ですが、仮に2の借地権の時価を5,000万円としましょう。引っ越し代や建物取り壊し費用等の名目はともかくとして、税務的には地主さんは5,000万円の借地権を2の例で言えば100万円で購入できたと解することも可能です。となれば、その差額である4,900万円に贈与税の課税なのか、と言う疑問が生じてきます。

5.タダより高い物はあるのか、ないのか?

 結論を急ぎましょう。地主さんが個人であれば、個人の借地人がタダで借地権を返還しても、通常は地主さんには何らの課税もなされません。もし贈与税の課税の余地があるとすれば、借地人から地主さんに対して明らかな贈与の意思がある場合でしょう。第三者間であれば基本的にはその可能性はないと考えられます。後述しますが、地主や借地人が法人である場合、話は別でいきなり面倒なことになってしまいます。個人は法人と異なり、損得勘定だけでは割り切れない事情があるため、一見すると特別扱いになっているのです。その替わりに土地の売却時点で土地の値上がり益部分について、一気に課税されることになるわけです。

6.借地人が法人の場合の立退き料

 借地人が法人の場合、地主さんから貰った立退き料はその受け取ったお金の名目を問わず、借地権の売却代金と認定されます。法人は個人のような自然人と異なり、税務上は損をするような行為を前提としていないのです。そのため、前述の個人の借地人のように、原則としては無償や低い金額で借地権を返還することはないものとされています。もしあるとすれば通常は法人と地主さんが同族関係にある場合だけでしょう。この場合には原則として法人が寄付をしたか、役員に対して賞与を支給した扱いになり、経費を制限される形で課税されてしまいます。借地人の課税はともかくとして、借地権がタダで返ってくるとすれば個人の借地人の場合だけ。それも地主さんと借地人が極めて円滑な人間関係を形成している場合に限られます。誰とでも仲良くしておくことは、結局は幸多い人間関係の基本なのかも知れません。
 

執筆者:阿藤 芳明

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