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ATO通信 5329号

業務関連性と必要経費

    (2019年10月31日更新)   執筆者:阿藤 芳明

  業務関連性と必要経費  所得税も法人税も、言うまでもなく儲かった場合にだけ課税されます。その儲かったかどうかの判断は、売上を基本とする収入から、仕入その他の諸経費を控除した金額が黒字になるかどうかで決定されることに。収入の方は比較的分かり易いのですが、諸経費の方は税務上の判断がやや複雑です。そこで今回はその複雑さにスポットを当て、経費性の有無を検証してみましょう。
 

 
   

1.税法上の必要経費

 所得税においては、どんなものが必要経費になるのかについて、要約すると次のような規定になっています。『特別な定めがある場合の他は、その収入を得るために直接に要した費用の額、及びこれらの所得を生ずべき業務について生じた費用の額』となっていて、要はその収入と直接・間接に関係する費用だ、と分かります。ここで問題は、間接とはどの程度の関連性なのか、と言うことなのではないでしょうか。
 また、法人税においては、『各事業年度の所得は、益金の額から損金の額を控除した金額とする』となっていて、ここで損金となるものがいわゆる法人税法上の必要経費のことだと分かります。そしてその損金は、売上原価やいわゆる損失の額以外には、販売費、一般管理費その他の費用、となっていて、売上原価や損失以外のものが必要経費だと推測できます。


2.要は業務関連費か?

 これらの規定から分かることは、当たり前なのかも知れませんが、要するにその業務に関連する支出と考えていいのではないでしょうか。もっとも減価償却費のように、その経費を計上した時に支出を伴わない例外もありますが、一般論としては支出したものと考えていいのでしょう。
 ここで問題になるのが、業務との関連性です。例えば車両を例にとって考えてみましょう。小売業や製造業において、商品や資材を運搬するのにトラックを利用すれば、これは間違いなく業務に関連するものと誰にでも判断ができます。
 しかし、トラックではなく乗用車はどうなのでしょう。確かにその車で営業活動をしている時には問題ありません。しかし、乗用車の場合、それがとりわけ個人経営であれば、業務以外にも家族と海や山に行くことだって可能です。これはどう考えても業務とは関係がなさそうです。


3.誰が業務との関連性を判断するのか?

 では、業務との関連性はだれが判断するべきものなのでしょうか。所得税や法人税、相続税や消費税と言った、自らが申告することによって税金を納める税目については、お客様が納税者と言う立場で判断することになります。これを申告納税制度と言いますが、自らの責任と計算で申告した以上、税務署に尋ねられればその根拠を説明できなければなりません。実務的には税理士がそのお手伝いと言うか代行をしていますが、建前的にはお客様の行為なのです。
 つまり、税理士と相談の上、お客様の判断で業務に関連性ありとの結論になれば、経費として計上することになるのでしょう。そしてその判断の当否は税務調査で明らかになるわけです。


4.法人に緩く、個人に厳格!

 ここまでの議論は、基本的には個人にも法人にも共通している事柄なのです。ただ、政策的に法人には交際費や寄付金等について、経費として認められる限度額が設けられています。それはともかく、考え方はその組織が個人か法人かで異なる事はないのです。が、しかしです。この稿の前々回の号だったかでご紹介したように、法人にはその峻別が個人に較べれば非常に甘いのです。繰り返しになりますが、個人の場合は業務に関連するのか純粋に個人的なものなのか、と言う判断が大きな壁になっています。それに対し法人が行う業務は、大前提として法人の業務であるという認識があるのです。極端なものは別にして、税務調査においても、一つ一つ個人的なものかどうかの確認は行われていないのが実状なのです。


5.ここだけは注意が必要です!

 税務調査に当たっては、これらの情報を頭に入れておけば自ずからその対応も予測ができるでしょう。個人では車両は何台まで経費になるのか、家族旅行は何人までなら経費に認められるか、家族との外食は交際費になるのか、等々のご質問をよく頂きます。ここで全てに回答はできませんが、真実や実態が何より強いということだけ申し上げておきましょう。例えば車両の場合、保有台数の制限はありませんが、どれだけ業務に使用したかの割合で判断するべきでしょう。全額は無理です。家族旅行は論外ですが、業務上の旅行なら家族と行ってもご自身の分はOK。但し、ついでの観光があれば、その分は外すべきでしょう。外食は金額次第、税務署も100%の捕捉は不可能です。また、法人だからと油断は禁物。個人よりもその辺の見方が緩いのは事実ですが、挙証責任は法人にあるのです。領収証だけでなく、手帳やメモ書き等、信憑性のある記録の保存が必要です。
 
 
     
 

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