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ATO通信 5330号

会社は一つとは限らない!

    (2019年11月29日更新)   執筆者:阿藤 芳明

  会社は一つとは限らない!  アパートや貸家を個人でお持ちなら、その所得は不動産所得として所得税が課税されることに。ところがこの所得税は負担が重過ぎるため、これを法人化して会社所有にします。すると賃貸収入は所得税から法人税の世界に変わり、税負担も軽減できるのです。と、ここまでは今までもお話したことです。が、これでも対処できない時は…。
 

 
   

1.なぜ 法人が有利なのか

 個人の所得税は累進税率で、所得水準が高いと住民税込みで最高55%の税率が適用されてしまいます。ところが個人ではなく法人なら一定額までは定税率。累進税率のような負担感はありません。所得税より負担を抑えるためには、会社を設立し個人の所得を法人に移せばいいのです。
 また、個人の不動産所得では所有者一人でその所得を背負うことになりますが、法人なら役員報酬と言う形で、複数の人間に分散できます。これにより上記の累進税率を緩和させることもできるのです。これらが法人化する最大のメリットでしょうか。


2.実効税率の比較

 個人の所得税も会社の法人税も、いわゆる儲けの部分である所得に対して課税されることになっています。ただ、これを計算するに際してその他の税金も考慮しなくてはなりません。例えば事業税や事業所税、住民税の負担もあるでしょう。これら様々な税金の中には、所得そのものを計算するのに経費として認められるものと、認められないものに分けられます。そうすると、各種の税金の税率を単純に合計しただけでは、実質的な税負担の比率にはなりません。その計算はちょっと複雑ではありますが、実質的な税金の負担割合を計算したものが実効税率と言われるもので、法人は概ね30%弱と考えてよいでしょう。つまり、個人の実質的な負担割合が、これを超えてしまうのなら、法人の方がお得、と言うことになるのです。


3.法人の設立だけでは問題は解決しない

 上記のような考え方はいわば常識とおっしゃる方も多いのでしょう。だからこそ多数のお客様が既に法人を設立なさっています。ただ、そうして法人を設立しても、その法人が大きく成長し、今度は法人の負担する税金が増大してしまうこともあります。そうすると、せっかく法人を設立しても、それだけでは問題は解決しないことになります。と言うのは、前述の法人の実効税率が30%弱と言うのは、法人の所得が800万円以下の場合だけだからなのです。法人の税率も単一ではないのです。厳密にいうと複雑過ぎるので話を単純にしますが、一般的な中小企業の場合には、800万円を超えると税率が約10%上がってしまうのです。そうすると、個人よりは税負担が重くはない場合でも、法人としての負担もそれなりで、当初の目的が達成できなくなってしまいます。


4.法人は1社とは限らない!

 ただ、法人の所得は800万円までが有利だとすれば、これを超えるならば法人の数を増やせばよいだけのこと。何も法人は1社だけしか作ってはいけない理由は何もないのです。所得が1,500万円なら800万円までの会社と700万円の会社に。同様に2,000万円なら3社、3,000万円なら4社に分散すればいいだけの事でしょう。もっとも、会社を増やせばそれなりのデメリットもあるので、総合的に考える必要はありますが。


5.数社の会社設立のデメリット

 それではどのようなデメリットが考えられるのでしょう。先ずは会社を増やすことの煩雑さです。1社について例えば帳簿が3冊必要なら、2社で6冊、3社で9冊が必要になります。銀行の口座も最低でも会社の数だけは必要でしょう。
 決算を行う回数も会社の数だけ増えることに。それに伴って、税理士にお支払いになる決算料もご負担が増えることになってしまいます。中にはそれを見込んで、必要もないのにやたらに会社の数を増やそうとする不心得な税理士もいるようですので、注意が必要です。
 また、法人の場合、所得がなくても均等割と言って、どの法人にも課税される税負担が生じます。これは所得のある無しに関わらず、法人の存在そのものに対する課税なので、会社の数が増えれば増えるほど、負担は増大することになります。


6.税率以外のメリットは…

 上記のようなデメリットはありますが、800万円までの税率以外にも会社を増やすメリットはあります。身近なところでは交際費の損金算入限度額の問題があるでしょう。資本金が1億円以下の法人においては、年間で800万円までの金額なら、交際費が経費として認められるというものです。これが2社になれば合計で1,600万円までの交際費が使えます。
 ただ、最大のメリットとしては、後継者が複数いる場合に発揮されるでしょう。いわゆる事業承継を行う場合、会社が2社あれば、1社は長男、もう1社は次男と言う棲み分けが可能になります。正に両雄並び立たず、を回避する妙案なのです。
 
 
     
 

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