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ATO通信 5348号

固定資産税は地代?か

    (2021年5月31日更新)   執筆者:高木 康裕

  固定資産税は地代?か  他人のものを借りるのであれば、無償での使用貸借か、賃料を支払う賃貸借かのいずれかを選択することになります。ただし、親子間などの特殊関係がない限りは、他人のものを使用するのであれば常識的には賃料を支払うことになるでしょう。そして、それが土地であれば地代となるわけです。さて、土地の所有者は固定資産税を支払う必要があり、これを使用対価と考えてみると、固定資産税とはまさに市町村に対する地代以外の何物でもないかもしれません。
 

 
   

1.固定資産税という名の使用料?

 土地の所有権とは土地を使用・収益・処分する権利ですが、そこには諸外国を含め歴史的な背景がそれぞれあることでしょう。小難しい理屈や経緯などは学者に任せるとして、日本では年貢・地租という制度を経た後に、今の固定資産税が出来上がっています。今日の自由主義的な考え方に慣れると忘れてしまいがちですが、そもそも土地を所有するには使用料のようなものを支払う必要があるということです。そのため、私的所有権というものの、結局は固定資産税という名の地代に縛られているのが現実。たくさんの土地を所有している、いわゆる地主と言われる方々はこの感覚が強いことでしょう。
 ちなみに、現在の固定資産税は市町村税という位置付けであり、標準税率は1.4%となっています。また、市街化区域内にあっては別に都市計画税が課され標準税率は0.3%となっています。


2.利用方法により地代(固定資産税等)が軽減

 土地は利用方法によって収益力に差異が生じることでしょう。また、政策的なことも反映する必要があるため、市町村はいくつもの軽減制度や非課税制度を設けたのです。
 最も知られている軽減制度は、人々の住まいである住宅用地に関するものではないでしょうか。住宅用地については、住宅1戸につき200平方メートルまでの部分の課税が6分の1(都市計画税は3分の1)になります。また、200平方メートルを超えたとしても実質的な課税は3分の1(都市計画税は3分の2)までで済むようになっているのです。
 ここでのポイントは、住宅1戸についてということです。戸建ての場合には、1戸あたり200平方メートルを超えるケースもあるでしょうが、マンションやアパートのような共同住宅の場合であれば、戸数が多いためおそらく敷地全体が6分の1の対象になります。つまり、共同住宅の方が固定資産税の優遇を受けやすい制度設計がされているのです。
 また、公共的な観点から一定の私道は非課税となっています。セットバック部分であったとしても非課税になる場合があるので、所有する土地が課税されているようであれば調べてみるのも一つです。


3.遅れたら延滞金、差し押さえもあり得る

 固定資産税は市町村にとっては重要な基幹税であり、最も税収割合が高い税金です。それが理由では無いのですが、役所はしっかりしているもので、少しでも納期に遅れると催促の通知がすぐに届きます。うっかり忘れていて通知が届いた方も多いのではないでしょうか。
 納期に遅れれば、当然に延滞金が生じます。令和3年の延滞金の割合は、1か月間は年2.5%、1か月を超えると年8.8%となっています。以前に比べれば低くなったというものの決して安いものではありません。また、固定資産税の支払いもせず、督促も無視していると差し押さえだってあり得ます。固定資産税を地代として考えると、市町村は最も怖い地主なのかもしれません。


4.令和3年度の固定資産税は増額改定無し

 市町村はしっかりものの地主さんでもあります。地価が上昇すれば地代の改定を必ず行います。改定の基準となる土地の価格は3年に1度見直すことになっており、令和3年度は改定の時期です。そのため、本来であれば、今年度の固定資産税は増加する可能性が非常に高い年でした。
 ただし、令和3年度に限ってはコロナの影響を考慮せざるを得ないとして、増額を見送ることになりました。ちなみに、これは今年1年限りの特例です。来年はきっちりと増額改定をしてくることもあり得ます。
 


5.更新料がないだけましか?

 固定資産税を地代に見立てたとしても、あくまで所有権があります。更新料や承諾料を求められることはないのです。では、お隣の中国ではどうでしょうか。社会主義国家である中国では私有財産としての土地の所有は認められていません。そのため、あくまで使用・収益というまさに借地人の立場になっています。したがって、土地使用の期限も定められており、期限が到来すれば更新をしなくてはならないことになります。そうすると更新手続きにあたって更新料をどうするのか?ということが、議論になっているようです。
 不動産を所有しているのであれば、必ず支払わなければならない固定資産税。更新料が無いだけましと思って、慎ましく支払うのが、持つべき人の社会的責任といったところなのでしょう。
 
 
     
 

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