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ATO通信 5352号

とりあえず延納の活用

    (2021年9月30日更新)   執筆者:高木 康裕

  とりあえず延納の活用  みなさまもご存知のとおり、相続税は被相続人が亡くなってから10か月以内に申告する必要があります。そして、税金が発生するのであれば納税は原則として現金です。しかし、期日までに現金で納めることが難しいことだってあり得ます。理由は様々でしょうが、そのような場合には、とりあえず延納のご利用はいかがでしょう。  

 
   

1.納期限までに手続き

 相続税の納期限は申告期限と同じく、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。例えば、9月10日に死亡したのであれば、翌年の7月10日が期限になります。税金は現金一括納付が原則ですが、財産税である相続税に関しては、延納や物納といった方法も用意されています。
 延納とはいわゆる分割払いのことで、最長20年間の分割ができます。物納は相続した財産そのものを納税に充てることです。なお、延納や物納を利用したいのであれば、税務署にあらかじめ申請書を提出して、審査を受ける必要があります。そして、適正なものだと認められ許可を受けることで、晴れて利用できるようになるのです。
 この申請ですが、納期限までに手続きをする必要があります。期限間際になってバタバタと慌てないように、早めに備えておくことが肝要です。


2.とりあえずの延納申請

 相続財産は不動産が主なもので、思ったよりも現預金などの金融資産が少ないケースも多いことでしょう。納税のために不動産の売却を計画していたとしても、納期限までに現金化が間に合わない場合もあります。もし、納期限までに納税が出来ない場合には延滞税が課されてしまいます。令和3年の延滞税の割合は、2か月間は年2.5%、その後は年8.8%という非常に高い金利です。したがって、これは何としても避けたいものです。金融機関では相続税納税のための融資も用意されてはいますが、そんなときこそ延納を考えてみるべきです。特に、納期限の数か月後にはお金が用意できる算段があるのであれば、まずは延納申請を行いましょう。
 延納申請をした場合の金利は、上記の延滞税に比べとても低くなっています。相続財産によって適用金利は異なるのですが、延納が認められれば、その対象が不動産の場合は年0.4%程度になります。また、延納の許可を受けられなかったとしても、その間の金利は年1%です。
 ここで重要なのは、延納が認められなかったとしても、延納申請をしておくと年1%になるということです。


3.手続きは最長6か月の延長可能

 延納とは、国に借金をするのと同じことですので、申請時には担保提供が必要になります。担保提供にあたっては用意すべき書類があり、例えば不動産を担保にする場合には、相続登記後の登記事項証明書が必要です。これらの書類の提出期限は原則として納期限と一緒なのですが、最長で6か月間延長することができます。
 そして、実務的に重要なポイントは、特に延長理由を説明する必要が無いということです。登記事項証明書が提出できないので延長したいと申請しさえすれば、最長6か月間納税を遅らせることが可能になります。
 つまり、年1%の金利負担が安いと感じるのであれば、延納許可を受けるつもりが無かったとしてもとりあえず延納を申請し、一時的に納期限を遅らせることが認められるのです。


4. 売却予定地でも延納申請が可能

 それでは具体的に考えてみましょう。相続税納税のために、相続財産である土地を売却して現金を用意する予定があったとします。しかし、引渡しの期日は申告期限から3か月後のため現金の用意が間に合いません。また、担保価値のあるものは売却予定土地しかないため、現実に担保設定をすることもできません。
 このような場合、とりあえず延納が効果を発揮するのです。延納申請時には担保提供書類が揃わないということで3か月間の延長をします。延長期間中は担保設定の必要が無いので、その間に土地を売却します。無事に決済できれば延納申請を取り下げて納税を済ませます。その間の金利は年1%です。もしも売却がうまく行かなかったときは、それはそれで延納許可を受けられるように動けば良いだけです。期間は最長でも6か月間、これを忘れずに!
 


5.小規模宅地等にも活用?

 小規模宅地等の対象地を売却する場合に応用できるかもしれません。小規模宅地等を適用するには、その土地を申告期限まで保有しておく必要があるため、納期限前の売却ができません。したがって、売却・換金化にはそぐわない土地です。ですが、とりあえず延納を組み合わせたらどうなるでしょう。小規模宅地等の特例を適用しつつ、納税資金に充てることだってできるかもしれません。ただし、その気持ちは心の中だけに閉まっておくのが大人の対応。真意はどうであれ、税務署にはあくまで心証良く、誠意をみせるのがミソです。
 
 
     
 

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