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ATO通信

 
5194号 売買時の固定資産税精算の問題点

平成20年7月31日 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室
 不動産の売買に際しては、契約時点で固定資産税・都市計画税の精算が行われることが一般的です。あまりに一般的過ぎて、何の疑問も感じていない方も多いのではないでしょうか。実務としては確かにそれで宜しいのですが、税務的には実は色々な問題を含んでいるのです。

1. 固定資産税の基本的な考え方

 先ずは原則論から。固定資産税は毎年1月1日の所有者に対し課税がなされます。従って、その後、年の途中で所有者が変更になっても、課税をする市町村に日割り計算という考え方はありません。だからと言って、実務が間違っていると言うことではありません。固定資産税の考え方は考え方、実務は実務なのです。良い悪いの問題ではなく、理屈を踏まえた上で実務を行えばいいだけの話なのです。

2. 事の発端は消費税の考え方

 さて、かつては税務署でも実務の日割り精算に対し、何らの課税も行っていませんでした。その意味では、固定資産税の課税の仕組みより、実務を優先していたと考えられなくもありません。
 しかし、消費税の導入後、次第にこの点についての取り扱いが厳しくなってきたのです。先ずは消費税において、その精算金は譲渡代金とする旨が通達という形で明示されました。勿論、土地の売買については消費税の課税対象となりません。従って、この影響を受けるのは建物や償却資産の売買についてです。

3. 譲渡税の取り扱いにも飛び火!

 消費税の考え方を受けて、今度は譲渡税についても税務署は取り扱いを変更してきました。所得税でも土地や建物に係る固定資産税の精算金は売却代金の一部だと言うのです。従来は何らの課税もしていなかったのに、です。
 我々実務家が業務を遂行する上で、課税当局の見解を知るための資料として、市販の質疑問答集の類があります。蛇足ながら、この手のQ&Aはかつては当局の担当者の肩書きが氏名と共に明示されていました。しかし、現在は責任回避の観点から氏名のみの記載で、肩書きは省略されています。当局としての見解ではなく、あくまで担当者個人の見解とする立場からです。それはともかくとして、現在はこれら当局本にもはっきりと精算金が課税の対象と謳われているのです。

4.譲渡税の課税対象と言えるのか?

 ここで譲渡税の課税対象の性格を考えてみましょう。言うまでもなく、所有期間中の値上がり益に着目して、その値上がり益分に税金をかけようとするものです。キャピタルゲイン課税などとも言われています。譲渡税の課税の対象がその値上がり益だというのであれば、固定資産税の精算はその範疇からは明らかに外れる事になるでしょう。その点を強調して、断固譲渡税課税に反対する論者もいるようです。

5.いずれにせよ、何らかの課税対象

 ここでは理論的な是非についての検証をするつもりはありません。ただ、仮に上記の論者の言うように、値上がり益ではないので譲渡税の課税は承服できない見解をとったとしましょう。固定資産税の基本的な考え方からは日割り計算はないのは前述の通りです。だとすれば、精算という行為自体をどの様に考えるのか、と言う問題が生じてきます。譲渡税の課税対象ではないにせよ、金銭の授受が行われているため、何らかの課税対象であることは間違いありません。理論的にはかつて何らの課税もなされていなかったこと自体に問題があるだけで、売買を契機に精算と称してお金が動いているのですから。

6.賢い実務的対応は…

 お断りをしておきますが、筆者は学者ではありません。また、理論的な税法論議をする立場にもありません。ただ、税理士として、実務的な対応を考えなければならない立場にはあります。結局のところ、精算金自体が何らかの課税の対象となるとすれば、所得税的には一般論としては、雑所得になるのではないでしょうか。
 もしそうだとすれば、総合課税で累進税率の適用を受けることとなり、住民税との合計で最高50%の適用もあり得ます。一方、百歩譲って理論的には納得のいかない譲渡税の課税対象とすれば、分離課税で一律20%の世界です。住民税の税率は現在一律10%、所得税の累進税率は5%〜40%となっています。所得によって適用税率はマチマチですが、少なくとも資産家の方にとっては譲渡税の分離課税の方がお得な場合が多いのではないのでしょうか。つまり、実務的な対応策としては、税務署の主張に乗っかって、20%の分離課税で申告する方が得策なのではないかと考えるわけです。今や、精算金について何らの課税も受けない時代ではなくなっているのですから。
 税務調査についても同じ事が言えるのですが、理論や本心は別にして、税務署の主張に乗ることが得策であるならば、決して我を張らない。これが賢い実務的対応というのが弊社の考え方です。

 

執筆者:阿藤 芳明

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