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ATO通信


5221号 解決策は遺言の作り方

平成22年10月29日 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室
 ひとたび婚姻関係を結んだら、できればお互い最期まで添い遂げたいもの。しかし、現実には若いうちに配偶者に先立たれたり、とわの愛を誓っても愛情の喪失で離婚したりはよくある事。また、時には離婚まではしないものの、妻以外の女性に心を奪われ子供まで設ける事だって。問題はいわゆる腹違いの子、異母兄弟の存在です。将来の相続を見据えて生前にしておく事は…幾つかの事例を通じて検証をしてみましょう。

1. 共有は悪平等の最たる例

 Aさんは名家の出身で凄腕の実業家でした。本業も順調に伸び、資産の蓄積も十分。その資産の活用策として不動産投資をし、法人形態でいくつもの収益物件を所有していたのです。個人としての最大の財産は本業と不動産所有会社の2社の株式でした。このAさん、先妻との間に長男Bがおりましたが、先妻が若くして病死。再婚をなさって後妻との間に長女Cが。いわゆる異母兄弟でしたが、Bにとって実家は居心地の良い筈はなく早くに独立。そんな中でAさんの相続が開始です。遺言もあったのですが、悪い事に本業と不動産所有会社の株式はB,Cに均等、つまり両会社共に二人の共有状態です。この稿で何度も申し上げてきた株式は一人に集中を、を完全に無視した遺言でした。相続後に当社にご相談頂いた事案なのですが、現時点では解決の決定打もなく共有を継続です。Bは長年本業を経営してきた実績もあり、それぞれ単独の支配会社とするため不動産所有会社はCに譲る気持ちがあるのですがCが応ぜず、どうにもならない状況が続いています。

2.嫡出子と非嫡出子の法的差別

 民法では戸籍上の夫婦の子を嫡出子、婚姻外の子を非嫡出子と呼んで法的な差別を設けています。非嫡出子とは、平たく言えばご主人が奥様以外の女性との間に設けた子です。認知されれば勿論ご主人の子とはなりますが、法律的には相続分は実子の半分しかありません。同じ子でありながら、このような法的差別をする事が問題視されてはいます。が、現状は実子と比較して母親が違う“半血”状態のため、法定相続分も実子の半分と規定されているのです。
 甲さんは一代で部品製造業を興し、都内に3つの工場を持つまでの規模にまで会社を伸ばしてきました。本妻との間に長男乙、内縁の妻との間にも男子丙がいます。本妻と離婚はしていませんが、何十年の長きに亘り内縁の妻及び丙と同居の状態です。事業も乙ではなく丙が手伝っているため、甲さんとしては丙に事業を承継したいと考えています。個人の財産で最も大きなものは都内のご自宅です。このご自宅と会社の株式を同居している丙及び内縁の妻に譲る旨の遺言書をお作りでした。
 ここで問題になるのが遺留分です。このままでは遺留分の侵害が生じてしまうのです。もっとも乙と丙は異母兄弟ではあるものの円満な関係で、通常世間で想像するような険悪な関係ではありません。内縁の妻も丙も本妻家族への気配りがあり、権利の主張や策略を巡らすタイプではありません。だからこそ余計に円満な解決が望まれます。手っ取り早いのは丙との養子縁組で、これによって実子となり、相続分は現在の2倍にする事が可能なのです。が、上記のような気配りの状況、優しい丙の決断を待つばかりです。


3.再婚同士の複雑な家族関係

 離婚の増加と比例して、昨今は再婚も相当数見受けられます。それも互いに子供があり、場合によってはその子供達も成人しているケースも。ここでも財産の多寡に関係なく問題になるのは将来の相続です。
 Xさんもそんなお一人で、50歳を過ぎてからの再婚同士。互いの子供は成人です。Xさんご自身は一人っ子、親御さんからの相続を受けてまとまった財産を手にしました。相続人一人のため分割でもめる事もなくご自身が相続する立場の時は問題ありません。が、次代を見据えると、再婚した新たな配偶者と二人の実子が相続人。配偶者はご存知の通りこのケースでは法定相続分は全財産の1/2。今回手にした財産の半分を配偶者に残せば、その配偶者の相続人は勿論その子供達。Xさんの実子にしてみれば複雑な思いがするはずです。

4.結局遺言書の作り方が総てです!

 結論から先に申し上げれば、とにもかくにも上記の事例で大切な事は遺言書の作成です。ただ、何でも遺言書さえ作成すればよいと言うものではなく、どのような遺言を残すかが最大の問題です。特に1の事例では絶対やってはいけない遺言、つまり兄弟は仲よく共有で均等に、と言う遺言を残したため、解決の糸口さえ容易には見つかりません。2の事例で先ず初めに必要な事は、税務上の評価をした上での遺留分の計算です。遺留分を減らす工夫もある程度は可能でしょうし、勿論最後は丙の気持ちの問題も残ります。そして3ではXさんの新たな配偶者の事も考えれば、一旦は配偶者が必要分を相続し、配偶者の方にも同時に遺言書を作成頂く事が必要でしょう。いずれの事例も遺言の作り方が総てと言う事になるのでしょうか。

       

執筆者:阿藤 芳明

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