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ATO通信


5227号 相続時精算課税と相続税の2割加算

平成23年4月28日 税理士法人 エー・ティー・オー財産相談室
 本年度の税制改正は、相続税の増税だけが話題になりがちではあります。しかし、それと同時に贈与税の負担軽減策も盛り込まれ、こちらは是非とも活用したいところです。とは言うものの、『相続時精算課税』の適用者の拡大については注意が必要です。くれぐれも下記のような思わぬ落とし穴にはまりませんように!

1.『相続時精算課税制度』の改正内容

 先ずは改正の内容から。この制度、従来は贈与をする側は65歳以上、贈与を受ける側は20歳以上の相続人とされていました。尤も相続人である子が亡くなっている場合は孫にも適用がありました。それが改正後は、贈与する側の年齢が60歳以上に引き下げられ、受ける側は同上の相続人に加え、孫にも拡大されたのです。つまり、子供が元気であっても、その子を飛ばしていきなり孫への贈与が可能になったのです。

2.相続時精算課税制度とは?

 ご存知の方も多いとは思いますが、ここでもう一度この制度を簡単に振り返っておきましょう。一言で言えば、非課税枠2,500万円の贈与です。これを超えれば課税はされますが、税率は一律20%。一見気前の良い贈与制度ではありますが、名義が変わり法律的に財産は移転しても、実際の相続時には相続財産として再計算されると言うもの。
 但し、この制度の適用によって贈与税を負担した場合には、その税額を相続税額から控除してくれます。つまり、何の事はない、相続税の前払いと思って頂ければ間違いはありません。従っていわゆる節税対策には本来は馴染まず、評価上は損をする事もトクをする事も。と言うのは、実際の相続時に相続財産として計算する場合、相続時ではなく贈与した時点での評価額が採用されるからなのです。結果として、相続の時の評価額が贈与の時より上回っていればお得に、下回っていれば逆に損をした事にはなってしまいます。

3.孫が相続人でなくても“相続税”

 前述の通り、従来は孫への適用は相続人が若くして他界し、その子、つまり孫が代わって相続(代襲相続と言います)する場合だけに認められていた制度だったのです。代襲相続の場合、実際の相続でも孫が本来の子に代わって相続するわけで、この制度を使って贈与された財産を相続財産に加算し計算される事は、制度上は当たり前と言えば当たり前。問題は代襲相続以外の普通の相続の場合です。孫はこの制度で贈与された場合でも、勿論養子縁組でもしていない限りは相続人ではありません。
 しかし、相続人ではなくても相続時に贈与税の精算はしなければならないのです。つまり、本人は想像もしていなかったのに、相続税の申告書に署名、捺印等をする必要が生じるわけです。勿論、算出された相続税額が納めた贈与税額より少なければ、結果的には既に納めた贈与税が還付され戻ってくる事だってあり得ます。しかし、逆に少なすぎれば相続時点で更なる相続税の追加が必要になってくる訳です。

4.更に追い討ちの“2割加算”

 上記3で相続税の申告の必要が生じると申し上げました。それだけならまだしも、この税額に例の“2割加算”がプラスされてくるのです。ちょっと専門的になりますので、ご存知でない方のために、若干の補足を加えましょう。被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の方が遺産を取得した場合、本来の相続税額に2割加算した額が相続税の納税額となるのです。
 これは相続人であるかどうかに関係なく、相続時精算課税を適用した場合には適用になってしまうのです。被相続人の一親等の血族及び配偶者以外かどうかだけが判定の基準だからです。

       

5.基礎控除の人数加算はなし

 相続税の計算を行う場合、基礎控除といって従来は5,000万円に法定相続人1人あたり1,000万円の基礎控除がありました。今回の改正でこれが6割相当の3,000万円と1人あたり600万円に引き下げられたことはご存知のとおりです。
 問題は精算課税制度を利用して贈与を行っても、相続税の対象になるだけで、基礎控除の人数には加えてもらえないと言う事なのです。前述の2割加算と言い、基礎控除への算入なしと言い、税金を納める側からすると踏んだり蹴ったりと言う感じがしないわけでもありません。

       

6.適用には税負担の多寡で判断を!

 結局のところ、この制度の孫への利用は税負担の多寡で判断するより仕方ありません。一見すると相続税の負担だけで判断すればよさそうなのですが、実はそれ程簡単な事ではないのです。贈与する対象が賃貸マンションの場合、それによる収益が贈与の時点で移転します。つまり、本来被相続人が負担していた所得税・住民税が減少し、手残り部分が財産として蓄積される筈のものが、生前に孫へ移転できるメリットもあるからです。結局何がトクなのか、ここはやはり専門家の知恵を借りたいところです。

       

執筆者:阿藤 芳明

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