相続、資産、事業承継に特化した税理士プロ集団(東京都渋谷区)財産の円満な相続のために、スムーズな事業継承のために。
初回無料相談 TEL:03-5468-6700

HOME  ATO通信 > 5234号 


 

ATO通信 5234号

値下がり株式、投信をどうするか?

    (2011年11月30日更新)   執筆者:阿藤 芳明

  値下がり株式、投信をどうするか?  今まで盛んに個人の不動産所得を、建物だけを法人に売却して、所有型法人に移行する提案をしてきました。勢い余って幻冬舎から『相続財産は法人化で残しなさい!』などと言う本まで発刊(平成23.8)してしまった程です。しかし、事は建物に限った話ではないのです。今はすっかり目減りし、影を潜めた株式や投資信託も、個人で持つより法人所有の方がお得な面もあるのです。時代は益々、相続財産は法人化で残しなさい!です。

 

 
   

1.何故、所有型法人だったのか?

 何故、所有型法人なのか、と問われれば、収益のモトになる物を、法人に移転する事により、役員報酬という形で親族に分配できるメリットがあるからです。これにより、相続税対策を考えているお父さんの所得が減少するばかりか、財産の蓄積そのものを抑えられるのです。そして、抑えられた財産の蓄積は、生前に子や孫へ引き継がれ、将来の納税資金までをも確保する事が可能になるのです。

2.法人で所有すべきは賃貸建物だけなのか?

 従来の所有型法人において、法人へ移転させる対象は賃貸建物をその対象としていました。本当は土地も移転させたいのですが、資金的にも負担ですし、売却時に長期で20%の譲渡税がかかってしまうため、建物だけに限定していたのです。
 土地はご先祖様から、それこそ土地代金が10円、20円と言う時代から引き継いだもの。仮に譲渡税の特例を使って、売却代金の5%が土地の取得費だとしても、今売却すれば譲渡税の対象になってしまうのです。
 しかし、譲渡税とは、売却価格>原価+譲渡費用 の場合に、その売却益に対して課税されるもの。と言う事は、売却益が出なければ、課税関係は生じない事になります。つまり、取得時より値下がりしているものなら税負担は無いのです。

3.値下がりした財産の代表選手

 思い出したくもない事でしょうが、値下がりの代表選手と言えば、あの株式、この株式、そして投資信託も今や壊滅状態ではないのでしょうか?
 このまま塩漬けにしておいて、配当を頼りの生活もいいでしょう。が、値下がりした状態でそのまま相続財産として課税されるのも、何となく釈然としません。
 一つの方法は、値下がりした状態での生前贈与です。贈与時の時価で課税されるため、今なら割安感はあるでしょう。貰った側も取得価額をそのまま引き継げます。また、損出しを覚悟で売却も一つの方法です。分離課税で申告するなら、配当との通算も可能です。また、申告さえしておけば、3年間の繰越だってできるのです。
 更にこれぞと思って投資した株式を、法人に持たせる事も一法です。個人ベースで一度は損失が実現するものの、その後の運用は法人に託すのです。勿論、法人はそれを購入するための資金が必要ですが、そこは賃貸建物の時と同じ手法を使えばいいのです。つまり、現金一括払いではなく、長期にわたる分割払いです。毎年の配当は見込まれるでしょうから、それを原資に少しずつ返済していけば良いでしょう。家賃収入から建物代金を分割返済する時と、理屈は全く変わりません。

4.10%(20%)の分離課税より高い法人税率!

 法人が所有するのは良いとして、その後の利益に対する税率が気になります。現行の個人の税制では、株式の売却益も配当も平成25年までは分離課税や源泉徴収の制度を利用して、10%(平成26年からは20%)で納税が可能です。一般の総合課税においては、住民税込みで最高税率が50%である事を考えれば、かなりの優遇税制です。
 それに対し法人税では、配当については“受取配当等の益金不算入”と言う制度を活用して最大50%部分は課税なし。つまり、配当と言う原資に着目して、保有する事が目的であるならば、工夫次第で有利な展開になる訳です。
 しかし、残念ながら、売却益が生じた場合、特別の制度はありません。通常の法人税率(実効税率で40%弱)が適用されてしまいますが、建物所有型法人なら決算対策で相応の工夫は可能です。

5.目的は法人による財産の保有

 確かに株式の売却益課税がネックと言えばネックです。この法人が株式以外何も持っていない会社であれば、対策にも限度はあるでしょう。株式売買を頻繁に行う事が法人の目的であるならば、法人組織より個人に軍配は上がります。
 しかし、注目すべきは法人所有の株式が将来値上がりした場合、相続時のその法人の株価評価は値上がり益から45%控除した価額になる点です。個人所有との大きな違いで、法人なら含み益から上記の控除が利用できるのです。もっともこの法人、株主はお父さんでなくお子さんなので、お子さんの相続時の問題ですが…。
 所有型法人を既にお持ちなら、今後は株式も投信も財産は法人所有が色々工夫の余地がありそうです。相続人一人に一社で、“相続財産は法人化で残しましょう!”がこれからのトレンドです。
 
 
     
 

ATO通信前号   ATO通信目次


HOME  会社案内  ATO通信  え~っと通信  クラブATO  資料請求  人財募集  税理士の方へ  利用規定及び免責事項

Copyright (C) ATO. All Rights Reserved
東京都渋谷区渋谷2-15-1 渋谷クロスタワー17階 TEL:03-5468-6700