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ATO通信 5247号

"信託"で法人活用に新たな光明!

    (2012年12月27日更新)   執筆者:阿藤 芳明

  新手の相続税対策  『所有型法人』と言う言葉、この稿の読者の方々には既におなじみのものと思います。自前の法人を設立し、個人の建物をその法人に所有させるものです。この手法、土地はそのままに、建物だけを帳簿価額で法人に売却するのですが、適用できない場合もあったのです。
 しかし、ちょっとだけ視点を変え、"信託"と言う手法を使えば今までは諦めていた物件についても、法人の活用に新たな光明が見えてきます。

 

 
   

1.所有型法人の限界

 税負担の重い個人の不動産所得を軽減させるため、収益を生む賃貸建物を法人に売却、移行する。これにより、その物件からの賃貸収入は全て法人に帰属する事になります。それを今度は他の親族に役員報酬と言う形で分散です。その結果、ご本人の税負担が軽くなるばかりか、必要以上の財産形成を抑制できることに。更に、生前に親族の財産の構築を促す効果まで生じさせることが所有型法人活用の真骨頂なのです。
  しかし、全ての建物を所有型法人に移転させる事は出来ません。一つは分譲マンションのように、区分所有型のマンションは土地と建物を切り離す事が出来ない物件です。所有型法人は、売主である個人の譲渡税や買主の法人の資金上の問題から、あくまでも建物だけを移転させるものだからです。
  もう一つは借入金額が帳簿価額より大きく、売り主である個人に売却後も借入れが残ってしまうケースです。このような場合、残金部分を一括で返済できれば問題ありません。しかし、それができない場合には、個人に賃貸収入がなくなり、その上借金だけが残ることになってしまいます。返済原資の問題ばかりでなく、その借入れに係る利息も何らの費用にできない状態になるのです。

2.建物を土地ごと信託すると…

 そこで、区分所有マンションならそのマンション自体を、また、借入れが帳簿価額を上回る物件は土地と建物を一括で信託してしまうのです。
 信託とは、この場合は不動産ですが、信託契約や遺言によって信頼できる人(受託者と言う)に移転させ、受託者はその財産を預ける人(委託者と言う)の目的に沿うよう、その不動産(信託財産)を管理・処分する制度です。
 ただ、信託する相手は信託銀行ではなく、自前の法人を活用するのです。信託における登場人物は、委託者、受託者の他に信託財産から生じた利益を得る人(受益者と言う)の3者です。委託者が受益者となる事は可能ですが、利益を自分以外の者に帰属させる目的があれば、それも可能になる仕組みです。
 信託では、信託財産の所有者は法形式上、受託者になります。従って、不動産の場合には登記簿上の所有者欄には受託者の名が登載されることになります。
 ただ、税務上は名義が移転しても、委託者が受益者である限り、譲渡や贈与があったとは認識せず、移転登記だけでは何らの課税関係も生じません。単なる名義の変更で、受益者である委託者がその利益を申告する事になります。これを踏まえ、実行すべきは上記の理由で所有型法人へ移転ができなかった物件を、受託者へ信託する事なのです。所有型法人の代わりに、信託を活用して受託者に賃貸事業を行わせるのです。

3. 受託者の役割

 それでは、受託者は具体的には何をするのでしょうか。不動産賃貸業の場合、先ずは借家人の募集から始まり、管理業務、経理全般を行って委託者へ報告をし、自らの信託報酬を差し引いて、利益を受益者へ還元するのです。とは言っても実際にこれら業務の全てを自分でやる必要はありません。出来ない事は外注先に発注しましょう。
 こう申し上げると、何やら所有型法人ではなく、従前からあった管理を行う管理型法人と同じではないか、とお感じの方も多いと思います。だとすれば、管理型法人では高率の管理報酬が否認され、管理の実態を問われたように、信託報酬も僅かな料率しか認められないのでしょうか。

4.信託は法律行為、管理型法人とは異なる!

 法人を受託者とする信託契約をし、その法人が自らの名において賃貸事業を行うのです。外見上は管理型法人を設立し、個人がその法人に一括賃貸する形式と似ています。建物の所有者ではないものの、法人が貸主となって又貸し(転貸)をし、建物所有者に自らの賃料を払ってその利ザヤを稼ぐやり方です。この又貸しによる利ザヤはいわゆる管理と称して管理料を不動産所得の経費とするやり方と根本的には同じ。これを管理型法人と言いますが、今やこのやり方は実態がないため税務当局には否認されてしまうのです。が、信託とは純然たる法律行為です。受託者である法人自らが固定資産税を負担し、募集から管理までの全てを行うのです。これなら当局に否認される事もなく、委託者から相応の信託報酬を法人が受け取る事が可能になります。所有型法人に適さなかった物件も法人活用が可能になるのです。
 
 
     
 

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