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ATO通信 5248号

法改正で税務調査はどう変わるのか?

    (2013年1月31日更新)   執筆者:阿藤 芳明

  新手の相続税対策  申告書を提出すると、待っているのは税務調査です。とりわけ件数的にも少ないせいか、所得税や法人税と比べると、調査の確率が高いのが相続税です。実は、昨年の税制改正で、"国税通則法"と言う法律が改正され、調査の手続きが明文化され整備されているのです。この改正で調査手続きにも以下のような微妙な変化が…
 

 
   

1.調査の事前通知

 従来から、所得税、法人税、そして相続税と税目にかかわらず、調査の際には原則的には事前通知がなされてきました。一般のお客様で税務署から調査の連絡を直接受けた方は、それほど多くはないでしょう。それは、それぞれの申告書に『税務代理権限証書』と呼ばれる税理士への委任状が添付されているためです。
 この書類が添付されていれば、税務署はお客様から委任を受けている税理士に連絡し、税理士がお客様との日程調整をした上で、税務署に連絡をする事で足りていたのです。
 考え方からすれば至極もっともな話だったのですが、先ずはこの手順が変更されました。納税者であるお客様と税理士双方に連絡をすることが義務付けられたのです。お客様からすれば、今までのように、馴染みのある税理士から連絡を受ければ、楽しい事ではないにせよ、それ程驚かれる事はなかったでしょう。それが今後は突然税務職員から直接に電話が掛かってくるのです。
 それでは『税務代理権限証書』を添付して、連絡はこの税理士にお願いしますよ、という意思表示は何のためのものになるのでしょう。不思議な改正項目です。このような事情ですので、お客様には驚かれる事のないようお願いします。税理士に任せてあるとおっしゃって頂ければ結構です。

2.前通知は必ずなされる訳ではないが…

 上記の事前通知ですが、従前からも必ず実施されていた訳ではありません。違法性や不当な行為が想定される場合、また事前通知をするとかえって税務調査の執行に支障をきたす恐れがある場合には、必ずしも行ってこなかった経緯があります。
 今後も基本的なスタンスは同じですが、事前通知を行わない事に、法令や手続通達に基づき、適切に判断する事が求められ、それが明文化されています。筆者も20代の若き税務調査官の時代には、事前通知をせず、現況調査と称して突然本店や社長の自宅に押し掛け、すったもんだを繰り返して調査に臨んだ経験があります。とりわけ飲食業、バー、ラブホテル等は不正業種の代表選手。調査官としては結構楽しかった思い出がありますが、通知なしの調査が減る事は必至です。

3.問題は反面調査のやり方です!

 問題は反面調査のやり方です。反面調査とは調査対象者自体ではなく、取引先や銀行、証券会社等に対して行う調査のこと。調査先だけでは確認できない場合に行うものです。国税庁が規定する税務職員に対する『税務運営方針』にも、反面調査は客観的に見て、やむを得ない場合に限って実施することになっています。調査対象者のみならず、相手先にも影響を与えることになるためです。
 さて、相続税の場合、実は日常的に次のような事が行われています。申告書を提出すると、その申告書から分かる範囲の金融機関に対し、照会文書を出して預金状況を調査着手前に把握しているのです。被相続人は勿論のこと、納税者である相続人その他の関係者の相続開始時点での預金残高や普通預金の動き等を数年分にわたって把握するのです。何故相続の調査の着手前にこのような事を行うのでしょうか。例えば、被相続人の相続財産として、預金が5,000万円申告されていたとします。これに対し、上記の照会の結果、専業主婦である配偶者に1億円の預金があったら、どのような事が想定されるでしょう。税務署の考え方は、名義は配偶者になっているが、配偶者に財産蓄積の能力はなく、その実態は被相続人のもの。つまり、相続財産として1億円申告洩れの状況が想定され、実際の調査に選定されることになると言う訳です。
 勿論、このようなケースでも、配偶者に実家の相続があり、1億円の預金を相続した場合もあるでしょう。年末ジャンボで6億円の宝くじだってあるかも知れません。それは、調査に臨場して、税務署として納得できれば問題はないのです。

4.事前の照会に合法性はあるのか?

 従来から上記の運営方針に関わらず、相続税調査の現場では、書面による照会がなされていたのは事実なのです。毎年申告書が提出される所得税や法人税と異なり、相続税は税務署、納税者双方にとって一発勝負、事情は異なると言う事でしょう。しかし、昨年の税制改正では、反面調査についても、その実施にあたり必要性と反面先への事前連絡の適否を検討する事が必要となっています。もし、従前の事前照会ができなくなったら、相続税の調査は困難を極めます。筆者は決して税務署に迎合しませんが、正直者が馬鹿を見る可能性のある税制改正には税理士として賛成できません。
 
 
     
 

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