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ATO通信 5267号

やってはいけない自筆証書遺言

    (2014年8月29日更新)   執筆者:阿藤 芳明

  やってはいけない自筆証書遺言  そろそろ遺言を、と考えたとします。誰にも知られず自分の意思をそっと伝えたい。そんな思いから作れば、普通は自筆証書遺言になるでしょう。
 結論から言います。自筆証書遺言は絶対にお勧めできません。誤りが多いからです。場合によっては遺言そのものが無効になってしまうこともあるでしょう。ClubATO 6月号え~っと通信で田中が『自筆証書遺言の落とし穴』をご紹介しましたが、自筆証書をやってはいけない事の補足をします。

 

 
   

1.怖いのは法的無効や財産の記載誤り・漏れ

 自筆証書遺言のメリットを強いて挙げるなら、費用が掛からず誰にも知られないで作成できることでしょうか。しかし、それを補って余りある欠点は、法的に無効になり得ることです。そして、財産の記載誤りや漏れがある場合です。無効の場合は勿論のこと、財産の記載誤りや漏れがあれば、その財産については分割協議が必要になります。
 そもそも、分割協議をさせないで済むように、そう思って準備した遺言書なのではなかったのでしょうか。また、遺言の作成を秘密裏に進めたら、遺言書自体が発見されない可能性も生じます。更に、それを発見した人に不利になる内容なら、破棄されてしまうことだってあり得るのです。

2.総ての土地が記載されているか?

 先般もこんな事がありました。ある方のご紹介で相続税の申告をご依頼頂いたのです。初めてお会いしたお客様で、自筆証書遺言があったのです。家庭裁判所での検認と言う、所定の手続きは済まされたようでしたが、肝心の中身が問題でした。
 戸建の貸家を何か所もお持ちだったのですが、その敷地に付随する私道が記載されていなかったのです。何故、ご本人はこの私道を忘れてしまったのでしょうか。その前に、ご自身で複数の土地をお持ちの場合、総ての土地を網羅しようとすれば、何を見るかと言う事です。容易に想像ができることは、毎年送られてくる、固定資産税の課税明細ではないでしょうか。一見するとこれにはお持ちの土地がすべて記載されているようには考えられます。市町村ごとに、そこに所在する土地に対して課税される訳ですから。
 しかし、これはあくまで課税の対象となる土地に限った話なのです。市町村によっても違いはありますが、課税されない土地については、実は記載しない場合が多いのです。では、課税されない土地とはどんなものでしょう。
 典型的には、"位置指定道路"があるでしょう。建物を建築する場合、敷地は最低でも2mは接道していなければなりません。それができない場合、接道義務を果たせるように、特別に公道と同様に扱えるように認められた私道を設けます。この私道のことを、位置指定道路と言うとご理解下さい。
 この位置指定道路が、総て固定資産税の課税を免れている訳ではありません。ただ、多くの場合に課税の対象になっていないのが実情なのです。そのため、この部分は固定資産税の明細にも記載がなく、これを基にご自身の土地を把握しようとすると、うっかり漏れてしまう事にもなるのです。

3.結局は分割協議が必要に

 この位置指定道路、そもそも貸家の敷地に接しているため、常識的にはその敷地を相続する人が併せて取得すべきでしょう。しかし、遺言書に記載がない以上、遺産分割協議をした上で相続をしなければなりません。その段階で、他の相続人に思わぬ意地悪をされたり、その道路を貸家の相続人に相続させる代わりに、何らかの条件を出してくることも考えられます。つまり、このような財産の記載漏れがあると、本来は何の争いにもならないことが、争いの種にもなり得るのです。

4.小規模宅地の評価減の特例も適用方法を考えて

 また、相続人間に争いがある場合には、小規模宅地の評価減の特例の適用についても考えておきたいものです。この特例はご自宅やアパート・賃貸マンション等の貸家、店舗や工場等の事業用の建物の敷地に適用ができるもの。適用面積に差はありますが、ご自宅と事業用の土地は80%引き、貸付用で50%引きと言う大きな特例で、詳細は ClubATO 6月号のエーティーオー通信を御参照下さい。相続財産にご自宅、貸家等この特例が適用できる土地がいくつかあり、相続人間に争いがある場合、どの土地にこの特例を適用するかを、法的効力はともかくとして、遺言で指示をしておいた方が良いかも知れません。どの土地に適用しても、相続税の総額は減少するため、全員がそれなりに減額の恩恵は受けるでしょう。
 しかし、各人の税負担は実際の相続財産の多寡による按分です。自分の相続する土地に適用するのが、その相続人にとっては最も有利。このことで争いが大きなものにもなり得るため、プロのアドバイスが必要なのです。


5.それでも自筆証書に拘るなら

 以上、自筆証書は色々な問題もあり、ご自分一人の判断でお作りになるべきではありません。それでもと言う方にこれだけはお忘れなく。『上記に記載のない財産については、総てを○○に相続させる』。これで少なくとも記載漏れだけは防げます。
 
 
     
 

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