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ATO通信 5276号

相続後の手続きも、早過ぎるとアダ!

    (2015年5月29日更新)   執筆者:阿藤 芳明

  相続後の手続きも、早過ぎるとアダ!  遺言書があり、誰にどの財産を相続させるかが、具体的に示されていたとします。すると今度はそれに基づいて、不動産の名義の変更登記をしたり、預金の解約をしたりする実務の手続きが始まります。相続後、早く始めれば早いほど、その効果は早期に相続人に及びます。しかし、その意味を考えず手続きを始めたばっかりにこんな事も…。
 

 
   

1.遺言書と遺産分割協議書

 遺言書がある場合でも、相続人全員の同意があれば、遺言書に拘束されることなく遺産分割協議を行い、財産分けをすることは可能です。これは決して珍しいことではなく、実務の中でも結構見受けられる事柄です。
 ただ、ご注意頂きたいのは、やり直しはできないと言うことです。遺言書の通りに登記名義を変更したら、たとえその後に全員の同意が得られても、分割協議により名義の変更はできないと言うことです。贈与と認定されてしまうからです。

2.総ての財産を妻にと言う遺言書

 こんな遺言書がありました。"総ての財産を妻A子に相続させる"。いたって簡単明瞭な遺言書です。自筆証書遺言であったため、家庭裁判所の検認手続きも済ませました。相続人は妻A子の他に娘が二人いましたが、その段階では二人とも、特別に異は唱えませんでした。
 娘二人には、言うまでもなく"遺留分"と言う権利が残されています。ただ、状況が理解できなかったためか、表立っての主張はしないまま、相続税の申告についてのご相談にお出でになったのです。しかも、相続人ではなく、次女の夫が相続人に代わって、です。娘二人は手続きを面倒がり埒が明かないのでこの方が調整役をかって出たのでしょう。お話から遺言書の存在がわかったため、ATOとしては申告の必要書類の説明の中で、遺言書のコピーも依頼しました。

3.検認さえ済ませれば手続きは可能

 相続財産はご自宅の他に預金と有価証券で、若干の相続税がかかりそうです。残された妻のいわゆる二次相続を考えた場合、今回の相続で総ての財産を妻が相続するのは、税務上は必ずしも得策ではありません。また、娘二人には何らの財産取得も遺言されていませんが、本音としては預金を幾ばくかは相続したい意向もあるようでした。
 そこで、遺言書に依らず1.で述べたように、相続人全員の合意による分割協議の方法をご説明したのです。しばしの時間を置いて、書類が揃ったとのこと。今度は相続人に面談したのですが、驚きの事実が判明したのです。妻のA子さん、さして深い考えもなく、現金も必要であったため、直ちに換金できるものを換金しているのです。手続きは簡単です。検認済みの遺言書があるため、それにより総ての財産を自分名義にするだけですから。元来、A子さん自身、独り占めをする積りもなく、深い考えはなかったのです。ただ、ここまでの手続きを行ってしまっては、もはや分割協議を行うことができない旨のご説明をしました。

4.素人判断はやけどの原因

 ここで娘たちの不満が爆発です。これでは、何らの相続もしないまま手続きが法律的にも完了してしまうからです。こうなったのも、娘二人が相続について、他人任せで積極的に知ろうとしなかったことが最大の原因です。
 相続の手続きについて、通常は総ての人が素人同然で、詳しい知識など持ち合わせていないのです。だからこそ我々を含め、専門家にご相談なさるのでしょう。それもできる限り早い段階からご相談頂く方が良いのです。
 素人判断で自筆証書の遺言があったため、とりあえず家庭裁判所で検認の手続きをするところまでは良かったのです。裁判所では『これで直ぐに各種の手続きができますよ』と言われたそうです。そう言われたので、直ぐに手続きをした、それだけの話で、それが法律的にどういう意味を持つのか、何らの考えもなく進めたと言うのが真相。他意も悪意もなかったのでしょう。

5.手続き後に残された道

 事態がここに至っては、もはや残された道は一つしかありません。娘二人が遺留分の侵害があったことを理由に、母親に対し遺留分の減殺請求と言う手続きをすることだけです。原則的には亡くなった日から1年以内にすれば、このケースでは法定相続分の半分、つまり娘一人当たり財産全体の1/8は相続することが可能になるのです。
 しかし、本来この手続きは取り分について争う場合に行うもの。遺留分減殺請求のやり方に特別な決まりはなく、権利を侵害している母親に対して意思表示するだけで効力は生じます。必ずしも裁判を起こさなければならない訳ではありません。
 
 
     
 

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