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ATO通信 5316号

『事業』になれば何かと"お得"です!

    (2018年9月28日更新)   執筆者:阿藤 芳明

  『事業』になれば何かと“お得”です!  個人の所得を扱う所得税にしろ、人が亡くなった時に課税される相続税にしろ、実は"事業"なのか否かが問題になる事が多いのです。これにより特例の適否が問われ、税務の世界は結構お得になる事も。ただ、同じ個人を扱う税務でも、所得税と相続税では考え方も違っています。そこで、何が事業で何が事業でないのか、その結果どれだけの相違が生じるのかを考えてみました。
 

 
   

1.法人が行なえば、総てが事業

 最も分かり易いのが法人税です。規模がどうであれ、また利益が出ようが出まいが、とにかく法人が行うものは総てが事業です。そもそも何らかの事業遂行の意図を以て、法人と言う法律上の人格を得たものだからです。その意味では自然人とは全く異なる考え方で法人税法も作られており、益金、損金と考え方はドライです。


2.自然人である個人は何故面倒なのか?

 それに引き替え面倒なのが自然人たる個人です。まず、所得税を考えてみましょう。個人が何か事を起こして儲かったとしましょう。所得税の世界では、まずこれが何所得なのかの分類をしなければなりません。雇用契約に基く労働の対価なら給与所得、商売で儲かったのなら事業所得。と、ここまでは一見単純なのですが、この"商売"をどう見るかが問題なのです。この行為を不特定多数を相手に、反復継続的に行っていれば『事業所得』となりますが、年にたまたま2~3回行う程度なら『雑所得』との認定になる可能性があります。 
 しかし、それとても、一回行うのに時間がかかり、モノになるのが年に2~3回で、しかも一回当たりの金額が多額なら、立派な事業所得となるかも知れません。ことほど左様に回数や金額だけでそれ程簡単に判断できるものではないのです。
 定職を持たず、競馬で生計を立てている人がいても、それは事業と考えず、一時所得か雑所得、とこれまた難しい問題なのです。因みに、ご存じの方も多いと思いますが、宝くじの当選だけで生計が成り立つのなら、10億円でも非課税です。


3.事業所得と雑所得で何が違うのか

 事業所得にしろ、雑所得にしろ、課税されるのが同じなら、所得の種類なんてどうでもいいではないか、と思われる方がいるかも知れません。実は所得税ではここが大きな問題なのです。例えば事業所得なら、赤字になった時に他の所得、例えば不動産所得や給与所得と通算ができます。雑所得ではそれができません。また、他の所得と通算をしてもなお事業所得の赤字があれば、青色申告でその損失は3年間の繰り越しも可能です。雑所得ではこれも不可能。更に、所得税では原則として生計を一にすると言う表現をするのですが、平たく言えばお財布が同じ妻や子に給与を支払うことはできません。支払うこと自体は構いませんが、経費とはならないのです。これが雑所得ではなく、事業所得なら事業に専従していれば経費となる特典まで付いてきます。所得税の世界は常に額に汗を重視し、商売として熱心にやっていればその労に報いてくれます。が、一方で、バイト感覚のちょっとした儲けにはいささか厳しい態度なのです。


4.相続税にも影響が…

 ここで話は相続税に変わります。相続税の中で度々登場するのは、何と言っても小規模宅地の評価減額の特例でしょう。ご自宅敷地なら330平方メートルまで、店舗や工場等の事業用敷地なら400平方メートルまでが80%引きの評価になる大きな特例です。この特例の中に、借地人に貸している土地やアパート・賃貸マンション等の貸付用の敷地については、"貸付事業用宅地"として200平方メートルまでが50%引きになるものがあります。間違い易いので、初めにお断りをしておきましょう。貸付事業用宅地と言っても、賃貸事業は規模のいかんにかかわらず、"事業用"から除かれてしまうのです。なお、賃貸の規模は問題になりません。駐車場1台分の面積でも賃貸事業なのです。もちろん大型店舗のために敷地1,000坪を貸しても適用できるのですが、減額の限度は200平方メートルまでになります。"事業"ではないため事業用宅地として400平方メートルまでの80%引きの対象にはなりません。これも税務の賃貸業が額に汗をかかず、黙っていても収入が得られる事への報復なのでしょうか。そもそも論として、賃貸業を不労所得として捉えているため、その手の事業を贅沢と考えているフシはあります。


5.数字自体に理屈は無い!

 事業用敷地に該当すれば400平方メートルまでが80%引きになるのに対し、貸付用となると200平方メートルまでが僅か50%引きに過ぎません。この差は非常に大きなもので、特に都市部の路線価が高い地域では、その影響は甚大でしょう。兎にも角にも賃貸してお金を稼ぐことに対しては厳しい姿勢なのです。が、何故400平方メートルで80%引き、200平方メートルで50%引きかと言う、これらの数字自体に特段の根拠はありません。その証拠に割引率も限度面積も、度々の改正がなされています。その時々の社会情勢や税収の状況等に左右されますが、とりあえず"事業"になれば、何かと"お得"なのです。
 
 
     
 

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