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  2020年4月
   

マイナンバーカード

     

 
   先ず、はじめに、個人番号制度(マイナンバー制度)というものと、個人番号カード(マイナンバーカード)というものを、分けて考える必要がある。

 マイナンバー制度は、2015(平成27)年10月から始まったもので、あなたも私も日本国民であれば、みんなこのマイナンバーを持っている(あるいは、政府によって持たされている)。いわゆる国民総背番号制度である。このマイナンバーを使って何をするかというと、代表的な利用方法は納税である。あなたがもし、確定申告をしている納税者であるなら、この番号を用いて申告をする。あなたに複数の収入源があるとするなら、それぞれの収入源の法人が源泉徴収をする際に、あなたの個々の収入は殆どの場合マイナンバー付きで税務署に申告される。一方の確定申告と源泉徴収の記録を、税務署のコンピュータは照合することが出来るので、申告と本当の収入の間に大きな乖離があれば、これまでより突き止めやすくなる。あなたが給与生活者で確定申告をしていない場合でも、あなたの所属する法人は、しっかりあなたのマイナンバーのデータを持っていて、源泉徴収の都度、マイナンバー付きであなたの収入を処理し、税務署に報告している。なんだか、オカミが市民から税を取り上げるための制度のように見えるので、この制度が導入された当初は甚だ不評であった。が、とにもかくにもこの制度は導入されてしまい、あなたも私もみんなマイナンバーというものを持つようになり、オカミの立場から見れば、制度は「円滑に普及」しているようだ。我々国民にとってこの制度は悪いことばかりではない。社会保険料の納付も支払いもマイナンバー付きで為されるから、あなたが各種の社会保険料制度を渡り歩いていたとしても、いわゆる「消えた年金」は、今後は起きない(だろう)。オカミが税を取りやすくなると言っても、税額をごまかしにくくなるという意味では、正直者が損をしない制度とも言えるので、国民一般に不利という訳でもない。

 さて、マイナンバーカードの方は、上記の翌年から交付が開始されたのだが、元のマイナンバー制度の不評もあって、今日に至るもあまり普及していない。普及しない理由は、単純に言えば、「持っていてもあまりトクすることがない」からである。遠隔地のコンビニエンスストアで住民票や、印鑑証明がとれるから便利だというのだが、いままで近くの行政機関に出かけてこの種の証明書を取得するのに不便を感じなかった人も多いので、マイナンバーカード保有の決定打にはならない。

 本来このカードを持っていることの意味は「身の証しを立てる」ことにある。だが、本人確認証としてこのカードを使うためには、常時携帯していなければならない。カードを落としたりすると大切な個人番号が他人に知られてしまうというリスクもある。

fig1
 写真付きの「本人確認証」としては、運転免許証、旅券という先に生まれたライバルが居り、これらのライバルは、自動車運転、海外渡航というキラーアプリを持っているので、マイナンバーカードはかなわない。そもそも、ちょっと以前までは、日本は市民が「本人確認証」を常時携帯していなければならないような社会ではなかった。田舎でマイナンバーカードの普及率が低いのは、「身の証しを立てる」ことの必要が今でも都会より少ないからである。政府は無理にマイナンバーカードを普及させるために、消費増税対策として、このカードを中小の商店で使うとポイントがたまるとかいう馬鹿げた政策をホントに実行しようとしている。だが、そんな姑息な政策を実施する前に、現代の我が国社会で市民が「身の証しを立てる」ことの意味を、もう少し真剣に考えたらどうなのだろうか。
 
     
 

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