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  2020年9月
   

自由性愛

     

 
   1960-70年代、自由性愛あるいは、フリーセックスという言葉が一時流行した。とくに地球全体で見れば、北欧の国々において、性道徳がとても緩やかであるという定評があり、当時思春期真っ盛りであったこの稿の筆者などは、はるかな北欧の国々に強い憧れを持ったものであった。
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 さて、自由性愛という言葉には複義的なところがあり、「男女が、性欲の赴くままにその場限りの性愛を楽しんでいる」という意味と、「結婚前の男女は性的な関係を持ってはならないという性道徳にとらわれず、恋愛関係にある男女は性的な関係を持ってもよい」とする意味とがあった。

 自由性愛に反対する者は、ことさらに前者の意味でこの言葉を使い、あたかも自由性愛者は、毎日乱交パーティーを行っているかのごとき印象を世間に植え付けようとした。だが、実際に自由性愛を行う者達は殆どが後者の意味でそれを実行していた。さらに言えば、この頃「婚前交渉」という中途半端な言葉もあって、「結婚を前提とすれば」性関係を持ってもよいと説く者もいた。

 さて、1960-70年代に何故自由性愛というものが台頭したかというと、二つの理由がある。一つ目は、避妊技術が高度に発達し、自由性愛の結果子が生まれてくる確率が格段に減ったことがある。二つ目には、資本主義社会が高度に成熟し、労働力としての人間の価値が相対的に低下し(機械などに置き換えられた)結果、社会全体の風潮が「産めよ増やせよ地に満てよ」ではなくなり、出産を抑制する傾向が出てきたことである。その結果性愛は、結婚、家庭という枠組みの中での出産、育児という営為から離れた、いわば純粋恋愛の手段となったのである。

 以前筆者は本欄に何回か人類の文化は「自己目的化」することに特徴があると言うことを書いた。生命維持のための飲食という行為が自己目的化してグルメ文化が生まれたのと同様に、子孫繁栄の目的であった性愛が自己目的化して、恋愛文化の一部に昇華したものが「自由性愛」であったのではないだろうか。

 そもそも、動物としての人間の繁殖適齢期は、15歳前後。同じく動物としての人間がつがいで関係を継続する適当な期間は長くて5年程度と言われている。にもかかわらず、人類は近代国民国家を維持する「教育ある国民」をつくるために、学校という制度を世に普く構築し、繁殖適齢期を先延ばしにしてまで、教育を授けようとしている。最近の公共広告機構の宣伝では、「14歳で結婚しなければならない女の子が地球上に多数いる」ことをあたかも「解決しなければならない社会問題」としてうたっている。性愛においても、未だに社会制度・法制度は生涯を通じての一夫一婦制がデフォルトになっており、離婚、不倫等々はみな例外的に処理されている。これは、家庭という人間育成機関の整備が、近代社会にとって必要であったからそうなっていたのであって、生涯を通じての一夫一婦制が人間の自然というわけではないのである。

 自由性愛は、近代国民国家を形成する社会的な枠組みが、次第にきしみを見せ、危なくなっている、その予兆として出現した社会現象であるといえる

 筆者の見通しとして言えば、人口の抑制は地球上で人類が資源、食糧を確保する上で喫緊の急務であり、その角度からも自由性愛はますます進むと考えてよい。また、「結婚しない」で、且つそれなりの期間で恋愛関係を終えていくカップルの組み替えも進むのではないだろうか。
 
     
 

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