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  2021年1月
   

入試改革(再)

     

 
   2018(平成30)年8月に「入試改革」を掲載したときも、、入試改革反対論者は「まだどうなるかわからない」と、余裕綽々で言っていたものだ。が、流石にこの稿の筆者も、十年ほど前から進められ、2021年2月をめざしてきた入試改革が、ガンラガラガラと崩壊し、土壇場に来て何もかもが跡形もなく消え去ってしまうとは思わなかった。が、一昨2019年暮れに起きた大ドンデン返しによって、今次入試改革の二つの目玉であった「民間英語検定導入」と「センター試験への記述式導入」は、いずれも消滅の憂き目を見て、当分は復活する見込みはない。痛恨とはまさにこのことである。

 本号ではそのことについて、少し詳しく述べてみたい。
 
 fig1

 先ず「民間英語検定」を以て、大学入試の英語科目に替える動きについてだが、2020(令和2)年2月「ちゃんとした英語」に於いて述べた如く、TOEFL、IELTSといった国際的に通用する英語検定試験を以て従来の大学入試の英語科目に替えることは、我が国の中等英語教育を国際的に開かれたものとし、生徒の英語力を国際的な標準で評価するために望ましいばかりでなく、緊要なことであった。ところが、導入の過程で、こうした国際的に通用する英語検定ばかりでなく、かねてから文部科学省主導で進められてきたいわゆる「英検」が加わり、さらに大手国内業者の推進するGTECなどがこれに加わるに及んで、話が少し複雑になってきた。これら多数の検定試験のスコアを横並びで比較するためにCEFR(外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠)なんてものが持ち出されてきたのだが、もともと違う団体が異なる評価軸で英語力を測ろうとしているものを、むりやり横並びに比較しようというきわめて日本人好みの技には無理があったのだと言わざるを得ない。さらに言えば、民間英語力検定が潰された直接の理由は、「田舎では、検定を行う機会が都会より少なく、また田舎から都会に出て検定を受けるためには費用もかかるので、公平を欠く」と言うことらしいが、これはあまりにもとってつけた理屈で到底首肯できない。なぜなら、上記の英語力検定の多くは、インターネット経由でどこに居ても受験できるタイプのものが用意されており、また、必要であるなら、政府の力を持ってすれば、ネット受験などの仕組みを構築するのは至極簡単だからである。英語検定は国際的に通用する事業者の行うコンピュータ方式のものだけにすべきであったのだ。

 次に、話を「記述式」に移す。「記述式」が「短答式」に比較して、受験者の考える力、論理を構築する力を測る上で、有用であることは誰でも容易に察しがつくことである。が、記述式の回答を公平に審査するためには、フィギュアスケートとか体操の採点のように、5人くらいの審査者が主観で採点し、最高点と最低点を切り捨てて真ん中の三人のさらに平均点をとるというような、きわめてコストのかかる手順が必要である。これを少子化したとはいえ数十万の生徒が受ける新しいセンター試験に持ち込もうとしたことに無理があったのではないか。且つ、採点を数十万人分民間事業者に委託しようなどというのは、安易過ぎる。ではどうすればよいのかというと、センター試験では「短答式」の知識を問う問題に徹し、これを「資格試験」に用い、各大学が独自に行う二次試験に於いて、記述式と面接を組み合わせた手のかかる評価を少数の受験者に対して行うべきであったのだと思う。

 結論として、センター試験を「資格試験」に置き換え、高校在校中に複数回受験できるようにするという、最初の構想が消えたあたりから話がおかしくなったのだ、と、筆者は思っている。
 
     
 

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