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  2021年12月
   

労働組合 その1

     

 
   この稿の筆者が高校生の頃までは、世間でストライキというものがよく行われて、特に交通機関のストライキなどは、(学校が休みになったりするので)強い関心事であった。ストライキとは何かというと、労働者が賃金の引き上げや労働条件の向上などを求めて、企業の業務を一斉に罷業し、止めてしまうことをいう。付随してロックアウト(労働者がピケットラインという封鎖線を張って、事業場の業務が出来ないように封鎖してしまう)という行為が行われる場合もある。第二次世界大戦後しばらくの間の日本では、ずいぶん荒れた労働争議もあって、企業側が、組合に所属しない労働者や外部の第三者などを動員し、ピケットライン突破を試みて暴力沙汰が起き、怪我人、場合によっては死人が出ることさえあった。労働争議の帰結も、大概は若干の労働条件改善の代償に、組合幹部は馘首されるという、なんだか昔の百姓一揆のようなものが多かった。

 だが、高度成長期に入り、企業側も人手不足で、ある程度労働条件を良くしなければ労働力を確保できなくなってきた事情があり、労働側も、団結してストを構える(職場で投票して、組合の執行部にストライキの実行可否を委ねる。「スト権確立」とも言う)だけで、実際にストライキに訴えなくとも一定の労働条件を獲得できるようになったこともあり、ストライキというものは、次第に廃れていった。

 以下は、筆者が就職して労働組合の中堅幹部になってから知ったことだが、組合がストライキを行うと、企業は当然妥結までの間の賃金を支払わないので、その分の労働者の生活を保障するために、組合は予め月々の給与の中から「闘争積立金」という貯金を用意しておく。ストライキ中はその積立金を取り崩して、支払われない賃金の代わりにするのだが、筆者が労働組合の会計を担当していた頃には、ストライキが殆ど行われないので、この闘争積立金の残高が巨額に膨れ上がり、預金獲得を狙って会社の取引銀行の社員が、組合に営業にやってくるような時代であった。

 さて、労働組合には、クローズドショップ・ユニオンショップ・オープンショップの三種があるということを習ったのは、高校の政治経済の授業であった。クローズドショップ制とは、採用時に特定の労働組合に加入している労働者のみを雇用し、脱退などで組合員の資格を失った労働者を解雇する協定である。ユニオンショップ制とは、企業が労働者を雇用した後の一定期間内に、労働者は特定の労働組合に加入しなければならないとする協定のことをいう。そのため、労働者が組合員である資格を失ったりすれば、企業側はその労働者を解雇することになる(i)。いずれも労働者に有利だ。

 だが実際には、日本の労働組合は上記のどちらでもない、労働者が組合に入っても入らなくても良い、またどの労働組合に入っても良い、比較的企業側に有利なオープンショップ制によって運営されていた。その中で筆者の所属していた飲料会社の労働組合は、当時の日本でも珍しいユニオンショップである「全国ビール」という組織の傘下
fig1
にあった。日本で当時ユニオンショップ制をとっていたのは、上記の全国ビールと海員組合くらいであった。その理由は、戦後直ぐの頃には、ビール工場で重い瓶を運ぶ労働や、貨物船を運用する労働はかなりハードなものであったので、相対的に労働組合も強かったからだと思われる。だが、その後ビール工場ではパレットとフォークリフトが導入され、船舶も自動操船技術や電子機器が導入され、労働者の仕事は以前と比べ、かなり楽になった。故に今は全国ビールも(ii)海員組合も『穏やかな』組合となってしまったのではないだろうか。

 (i)Weblio辞書  (ii)全国ビールは2006年に解散
 
     
 

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