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  2013年8月
   

にらむ

     

 
 

 歌舞伎十八番の内、「暫」は成田屋、市川団十郎のお家芸である。

 「暫」は、多くの歌舞伎作品がそうであるように、劇の筋はナンセンスなのだが、場面の様式化によって十八番に数えられた作品である。

器量

 無辜の弱者が、悪者に捉えられ、あわや打ち首にというところで花道から「暫く~」との声がかかって、主役が出てきて大立ち回りを演じて悪者をやっつけるという、それだけのお芝居。主人公「暫」は、一応、鎌倉権五郎景政という実在した人物ということになっているが、霊力を持つ前髪立ちの少年であり、まあ人間離れしたスーパーヒーローとして描かれている。そのスーパーヒーローが、どのように霊力を発揮するかというと「にらむ」のである。(アニメであれば、アイパワー光線か何かが出て怨敵退散になるところだろう)

 よって、「にらみ」自体が成田屋相伝の芸となり、団十郎襲名の口上などの時には、「吉例により、にらんでご覧に入れまするう~」とかいってこの芸を単独で披露する。

 昔は、団十郎の楽屋に贔屓筋が押し掛け、魔除けのために「暫」の隈取りをした団十郎ににらんでもらったこともあったそうだ。役者の楽屋で「おにらみサービス」をして、神社のおはらいの代わりをしていたようなものだ。

 睨め付ける、すなわちにらみつけるとは、相手を威圧すること。眼の奧に強い意志が宿るために、相手に威圧感を感じさせるのであろう。この意志の力によって、人間界だけではなく、魑魅魍魎をもやっつけるパワーがあると考えられた故に、昔の人は「にらみ」の霊力を信じたのであろう。いわゆる目力というやつである。

 にらむという行為は、巷間「ガンを飛ばす」ともいう。この稿の筆者は、比較的おとなしい私立高校を出て、受験して大学に入った初日に、その大学の付属高校から来たクラスメート達が、「おい、さっき○○高のやつがガンを飛ばしやがったから、授業が終わったら殴りに行こうぜ」などと言い合っているのを聞いて、飛び上がって驚いた経験がある。

 そもそも「ガンを飛ばす」というのはどのようにしてやるのだろうか。眼を細め、瞳孔を縮め、相手の方をキッと睨みつけるのであろうか。でも、偶然眼が合っただけでも「おい、手前、ガンをつけたな」とからまれることもあるって言うし・・いやこれはガンをつけるのではなしに、言いがかりをつけるというのだろうか。などと大学新入生だった筆者は、心の中で煩悶していたのである。

 さて、ガンを飛ばすような場合、瞳はどちらかというと縮んでいるのだが、逆に瞳孔を開いて、相手をぼんやり見つめるような場合がある。これを女性にやられると、男はすっかり参ってしまって、相手が自分に気があると思い込んで猛然アタックする気になったりする。それと近い話で、筆者の知り合いにかなり近眼の女性がいて、本人には特別な気持ちがなくても、相手をすぐに見つめてしまう。この女性は、なかなか美人だったこともあり、男性に大人気、モテモテであった。

 どうせ目力を発揮するのなら、にらむ霊力よりも、見つめる霊力の方がうれしい。
 
     
 

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