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  2013年11月
   

寄付

     

 
 

 本誌は、税理士法人の機関誌。その中で、本欄と隣の欄は税金のお話を離れて一服するのが役割になっている。が、今月は、かなりの程度に税金に近い話をとりあげてみたい。
それは、寄付ということについてである。

器量

 我が国の所得税法が、寄付金控除の対象とするのは、概ね「教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための」(ほかに震災義捐金などもある)のもので、寄付先は、政府やら地方自治体やら独立行政法人といったオカミ族を別にすれば、特定公益増進法人、私立学校、社会福祉法人、NPOの一部などに限られている。

 読者は、「こうした相手に寄付をすると、所得税を負けてくれる」とお考えかもしれない。

 確かに考えようでは、「寄付をすれば税金が安くなる」と言えないことはない。すなわち寄付した金額の内一定の分(控除するのは合計所得金額の40%以内とか、2000円までは控除しないとか細かい規則はあるのだが)は、要するところ所得税の対象とならない(その年の貴方の所得金額から控除される)。税金を取る側から見れば「負けている」のである。

 だが、「控除」というのが曲者である。税金が安くなるとは言っても、それは「何もしなければ払ったはずの所得税より安くなる」と言うだけの話で、「寄付した金額+支払う所得税」は我が国の税制では必ず「何もしなければ払ったはずの所得税」より高くつくことになっている。このことはどういう発想から来ているかというと、要するに「オカミが税金を用いて行う事業の方が、民間のボランティアが行う公益的な事業よりもより価値が高い」という考えから来ているのだ。

 本欄の筆者が提案したいのは、上記のようなオカミ優位の考え方をやめて、国民一人ひとりが、「自分が最も公益的と思う事業」を選んで、自分の選んだ公益事業に一定比率の所得税を寄付できるようにしたらどうだろうか、というものだ。

 国防が大事と思う人は、兵器の購入に自分の払うべき所得税の5%を、東北の復興が大切と思う人は沿岸部の住宅移転に5%を、科学技術の振興が必要と思う人はスーパーコンピュータの開発に5%を、原発反対の人は代替エネルギーに5%を、と、自由に政策を選べるようにしたらよいと思うのだ。

 もちろん寄付と言っても、自分の私的利益への我田引水はいけないから、公益的事業のメニューはある程度予め決めておかなければいけないとは思う。が、国家、地方自治体の事業ばかりでなく、ボランティアが行う民間の事業もメニューには当然加えることにする。

 そうすることによって、たとえば、「景気が良くなってほしい」からと言って「道路や橋を造る」のがよいのか「技術開発への投資」がよいか、「福祉のための税金還元」がよいかを我々は自分の頭で考えなければならなくなる。ぶつくさ文句を言いながらも、結局オカミの言いなりなるのではない、ほんとうの国民主権への第一歩として提案したいのである。

 役人や政治家が、勝手に国家予算を按分するのではなく、ある程度国民が直接「自分が払う税金を何に使うべきか」を選択できるような制度があってもよいのではないかと思う。

 
     
 

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