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  2015年1月
   

歴史認識

     

 
   

 この欄で敢えて「従軍慰安婦の真相」とか「南京大虐殺で犠牲者は何万人か何十万人か」を書こうというわけではない。が、この頃中国や韓国の人々は、我が国の要路者の歴史認識がまちがっていると言っている。一方我が国では、隣の国が頻りと日本にケチをつけて、あわよくば我が国固有の領土を侵したり、経済的利益を要求したりすることの理由にしているくらいにしか感じていない。だが、隣国の人々と誤解なくつきあっていくためには、先方が歴史の何を問題にしていて、(一部の)日本人の認識のどこが不足していると感じているのかを考えなければならない。それを要すれば「第二次世界大戦後の世界の常識は何か」を、考えるということになる。

 この稿の筆者は、日本が第二次世界大戦に参戦せざるを得なくなり、敗れて国を焦土と化し、有史来初めて他国に占領される憂き目を見た理由は、第一次世界大戦後の世界秩序について、我が国の理解が不足していたからだと考えている。

 第一次世界大戦の前の世界は、弱肉強食の帝国主義の時代であった。世界各国とその国民は、戦争を含む生存競争によって侵し合い、強き者は弱き者を支配して植民地とすることが公に認められていた。が、第一次世界大戦の惨禍があまりに大きかったために、その後国際連盟という(不十分ながら)世界政府的な調整機構と四カ国条約、九カ国条約、ケロッグ・ブリアン(不戦)条約などの国際条約・法秩序によって国際紛争の解決は平和的手段によるべきとされ、武力による現状変更は否定された。その一方で、戦勝国による植民地支配や国内の人種差別は撤廃されることはなかった。(近衛文麿はこのような世界秩序に不満を持って、この頃「英米本位の平和主義を排す」という論文を発表している)

 その後の日本による、満州事変、日中戦争から太平洋戦争に至る一連の行動は、(仮に「東亜新秩序」「大東亜共栄圏」なるものが日本による新たな植民地支配の拡大ではなく、欧米諸国のアジアにおける植民地を解放する試みとしての側面を持っていたとしても)明らかに「武力による現状変更」の試みであり、国際法秩序に違反する行為と見做されたのである。(東京裁判と言えば、昨今の日本では、戦勝国による勝手な日本いじめであるとの論調が強いが、裁判の訴因が九カ国条約や不戦条約違反であることは意外に知られていない)

 さて、日本が敗れ去った後、皮肉なことに日本の表向きの戦争目的であった「アジア諸民族の解放」は実現された。韓国や中国は、欧米諸国の支配からではなく、日本の武力による支配から解放された。一方日本は、「武力による現状変更」の誤りを認めて「国際紛争解決の手段としての戦争を永久に放棄する」憲法を掲げて国際社会に復帰した。

 にもかかわらず、今になって歴史認識のどこが食い違っているのか。ひとつは、未だに我が国の一部に第一次世界大戦後の世界秩序を武力で変更しようとした日本の行いを、正当化したい人々がいるからであるし、もうひとつは中国、韓国の一部に、「第一次世界大戦後」で線を引かず、世界の近代史と近代的な国際法秩序そのものを否定したい人々がいるからではないか。

 
     
 

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