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  2015年8月
   

味噌汁

     

 
 


 朝、目が覚めると、もう嫁さんは台所に立っていて、まな板に包丁をあてるトントンという心地よい音がしている。きっとなにか味噌汁の実にする野菜でも刻んでいるのだろう。鍋にはまだ味噌を溶いていない汁がかかっていて鰹だしのよい香りがしている。やがて、ふっくらとした熱々の白いご飯が炊けてきて、新鮮な生卵と鰺の干物、白菜の浅漬けかなんかが、朝の御膳にそろうと、「あなたご飯よ」という声がする。その間に私は顔を洗い、歯を磨いて食卓につく。と、間髪を入れずに、具沢山の熱い味噌汁がよそわれて、小盆に載せて給仕され・・・これは、昭和の男である筆者の妄想である。

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 実際の所は、この稿の筆者の家庭では朝は紅茶とトーストしか出てこないし、夜の味噌汁は、甘ったるい麦味噌に豆腐とワカメが定番で、野菜が具に入ることは稀である。この味噌汁に馴らされた我が家の子供達にとっては、きっとこれがオフクロの味となるのだろうと思うと、何かほろ苦い気もする。それとも、我が家の子等も、将来は遠い土地の女性を娶って、毎晩なれない味の味噌汁を供されるようになるのだろうか。

 筆者は別段西国の麦味噌や岡崎八丁味噌が嫌いという訳ではない。が、他所の土地の特産の味噌を日々食卓で定番に食するのは辛いものがある。といって筆者は東京山の手の生まれで、自分の土地の味噌というものがある訳ではなく、まあ、信州でも東北でも、赤過ぎず白過ぎず、中間的な色をした米の味噌なら、大概は不服を言わないのではあるが・・

 さて、味噌汁(東京の丁寧言葉では「おみおつけ」ともいう)の三要素は、ダシと具と味噌である。

 今月は、この小さな日本列島で、それらが如何に多様であるかという話を書きたい。

 まず、ダシ(出汁)について言うと、削り節(主に鰹節だが、土地によって鯖節や鮭節などもある)、いりこ、煮干しなどの動物系と、昆布、椎茸など植物系がある。昭和の御代も半ばまでは、庶民の家庭ではカタクチイワシの煮干しの人気が高く、冷や飯に残った味噌汁を掛けて出がらしの煮干しを載せたものは、「ポチ飯」と称して、アルマイトのお椀に入れて、その家の番犬に供されたものである。その時代削り節の作成は子供達の仕事で、木の箱に鉋の逆さまになった奴がついているのに鰹節を上下させて削って箱に溜め、あとで箱の横っちょの抽出から取り出したりしたものである。

 後に、花鰹と言って工場で削った鰹を袋に入れて売るようになってから、鰹節は煮干しを凌ぐようになった気がする。その後出汁の素が顆粒化したのはご高承のとおり。

 具については、講釈を垂れると紙数が尽きるので、列挙する。野菜では、葱、玉葱、茗荷、ほうれん草、小松菜、大根、にんじん、牛蒡、蓮根、ジャガイモ、里芋、薩摩芋、南瓜、隠元、もやし、蕪、芹、三つ葉、貝割れ、土地によってはアスパラガスや唐黍。海藻で、ワカメ、海苔、ひじき。加工食品では、豆腐、油揚、厚揚、湯葉、蒟蒻、納豆、焼麩、素麺。キノコ類では椎茸、榎茸、エリンギ、シメジ、なめこ等。動物蛋白では、豚肉、鮭、鰤、鰯のつみれ、浅蜊、蜆、魚のアラ、カマ、鶏卵。

 最後に、味噌各種。土地の名前で言うとこれも紙数が尽きるので、材料で言うと、米味噌、麦味噌、豆味噌が主なところ。麦味噌は主に九州、豆味噌は三河、尾張の中部地方で造られる。この項の筆者は、昔名古屋に勤務していて寮暮らし。寮母さんに、独身寮は他国者の集まりなので、お願いだから朝食に赤ダシだけは出さないでくれと泣訴したことがある。

 
     
 

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