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  2016年3月
   

アジアの近代(続)

     

 
 


 前号では、アジアの近代化には、軍事、経済、政治等複数の側面があることを述べた。

この内軍事の近代化、経済の工業化(資本主義化)については今日21世紀の北東アジア諸国は達成の途を歩んでいると言っても差し支えない。これらの近代化は概ね世界共通のものであり、とくにアジア的な特徴があるわけでもない。問題は、政治の近代化である。
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 アジア諸国の内、欧米的な意味での議会制民主主義と自由、平等、博愛原理に基づいた政治制度を完全に達成した国は、日本しかない。東南アジア諸国は概ね欧米モデルの政治制度を標榜してはいるが、実際には、開発独裁であったり、軍部統治であったりで、議会と選挙による政権交代が常態の国はきわめて少ない。韓国あたりがだいぶ欧米モデルに近づいてはいるが、政党政治の内実は、まだ日本の大正期政党政治のレベルくらいに見える。中国や北朝鮮の政治制度がどうなるのかは予断を許さない。

 さて、問題は、政治制度の近代化について、欧米と異なるアジア的なモデルが存在しうるか否か、ということである。


 中国の革命家孫文は、かつて西洋帝国主義の政治を覇道と呼び、対するに東洋的な王道政治の実現を説いた。しかし、その王道政治の思想原理、政治制度のモデルなどを中華民国で具体化することは出来なかった。日本も、かつて満州統治や大東亜共栄圏の制度設計において「東洋的王道」を掲げたことがあるが、それは西洋的な個人主義、競争原理の否定と統制経済、軍部による全体主義的な指導を正当化するに過ぎず、独自の政治原理を提起するには至っていない。また、印度の革命家ガンジーも、非暴力抵抗主義という反権力の方法を提案することは出来たが、その思想を統治(あるいは自治)の原理にまで敷衍することは出来ていない。21世紀国際政治の一つのエポックである、イスラーム原理主義もまた、西洋近代に対置しうるあたらしい政治原理や制度を示すことは出来ず、ただ預言者への回帰を説くだけに見える。

 現実社会を離れた思惟や、文化芸術において、東洋は十分西洋に拮抗しうる膨大な歴史的蓄積を有している。だが、要するに、21世紀の今日に至るも、軍事や経済の近代化と同様、政治の近代化について、西洋モデルを超える東洋的なモデルは示されていない。

 それは何故か。短い紙数で筆者が感じていることを記すと、政治制度も経済のあり方も、結局は技術革新の産物であるというに尽きる。西洋近代の資本主義の根っこに仮にキリスト教文明があったとしても、西洋近代の政治思想や資本主義経済、さらには帝国主義や植民地支配を生み出したものは、産業革命による技術革新だったのではあるまいか。

 東洋の思想は、産業革命に匹敵する技術的な裏付けを持たなかったのだ。

 そうであるとすれば、今日、インターネット時代の情報技術の革新こそが、現代社会のあり様を決める根幹である。私たちは、まさに洋の東西を問わず、情報技術の革新が生み出すところの経済制度、政治制度、社会思想の、近代を超えた世界共通モデルをこそ設計すべきなのではないか。もはや、アジアの近代にこだわるべき時代ではない。

 
     
 

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