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  2016年4月
   

上座部仏教

     

 
 


 縁あって、ミャンマーに出かけた。

 この国は、上座部仏教(南インドやスリランカを経てミャンマー、タイ、ラオスなどに伝わったいわゆる南伝仏教)の世界である。5千万人の人口に対して20-30万人の出家僧侶がいるという。ほんとうの僧侶のほかに、男性は一生に一度以上、暫時剃髪出家して寺院の戒律に身を委ねる。僧侶は、厳しい戒律を守って、午前中しか食事をせず、金銭や女性に触れないという暮らしをする。僧侶の生活は、老若男女市民すべての寄進によって賄われる。この国では、寺院に寄進をすることが人生の生きがいである。社会の中で競争し、働いて、富を得ても、その富を寺に寄進してはじめて、働いた実感を得ることができるのである。一方寺院では、僧侶はきわめて禁欲的に生きているので、寄進された富はなんらか社会に還元されるのであろう。
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 上座部仏教は、日本では20世紀の半ば頃まで、小乗仏教と呼ばれた。それに対して、チベット、中国、朝鮮を経て日本に伝わった北伝仏教の方を大乗仏教と自称した。その後、1950年コロンボで開催の世界仏教徒会議において大乗側が南伝仏教を小乗と呼ぶのは蔑称であるということになって、上座部仏教という名前が使われるようになったという。

 では、南伝仏教と北伝仏教の教えの違いは何処にあるか。この稿の筆者は、仏教徒の家庭に育ったわけではないので、あくまでも外側から見た筆者の理解を以下に記す。


 お釈迦様にとっての課題は、輪廻転生を繰り返すこの世の業(カルマ)から解脱することであり、その方法は瞑想と禁欲、修行であった。具体的にどんな修行をなさったのかは諸説あるが、とにかくあるときお釈迦様は悟りを開かれたのである。この時点で、悟りを開いて業から解脱することは誰にでも可能なことではなかった。悟りとは、一部の少数者が厳しい修行を経てはじめて到達できる境地であった。お釈迦様のあと、その跡を慕って自分も悟りの境地に至ろうと努力する人々が生まれ、仏教団が形成されるようになった。

 そして仏教が世に伝播していく過程で、戒律を地域の慣習にあわせて緩やかに解釈しようとする派(たとえば、食事は午後にとっても良い、とか)とお釈迦様の方法を細部まで守ろうという派が分裂した。前者は、次第に一部の特別な人だけが悟りを得るのではなく、お釈迦様の教えを広く遍く普及させて多くの衆生を救済しようとする傾向に走り、後者はあくまで厳しく修行をする僧侶達を衆生が支えることを以て、一般人の心の平安が得られるとする傾向を持つようになった。前者が北伝仏教、後者が南伝仏教である。北伝が自らを大乗仏教と呼び、南伝を小乗と蔑んだのは、北伝仏教が大衆も乗れる大きな乗り物であるのに対して、南伝仏教は一部の特別な人しか乗れない小さな乗り物であるとしたからである。一方で、「大乗仏教」が極まれば、南無阿弥陀仏六字の名号を称えるだけで、何の修行をしなくとも救済が得られるという教えにもなる。どちらが正しいと言えないが、ミャンマーの国中に建てられたパゴダや寺院を見ると、人々が寄進という価値観を共有することによって、社会の富が循環するというのも、一つの大きな思想であると思った。

 
     
 

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