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え~っと通信 193号

これからの生産緑地
~生産緑地2022年問題を考える~

    (2017年5月15日更新)   執筆者:高木 康裕

  rire193  平成4年改正後の生産緑地法の制定から月日も流れ、2022年には30年が経過します。生産緑地は30年を経過するとその指定を解除することができます。これらの土地は都市部にあることから、今後その農地が有効活用されるのかどうか、期待されるところです。



 

 
   

1.生産緑地とは

  生産緑地とは、市街化区域内に農地を保持することにより、良好な都市環境を確保することなどを目的として定められた都市計画上の地区です。
 この地区は、三大都市圏(首都圏、中部圏、近畿圏)内に定められており、東京23区はもちろんのこと主な都市が該当します。また、指定される1団の農地はその面積が500平方メートル以上あることが必要です。
 この指定は、必ずしも平成4年に行われているわけではなく、各市区町村の判断によっては、平成4年以降も生産緑地の追加指定をしている場合があります。

2.生産緑地の解除

 市街化区域内の農地は、原則として固定資産税が宅地並みで課税されることはご存知でしょう。
 しかし、この生産緑地に指定されると、固定資産税が農地評価となるため、保有コストを大幅に軽減することができます。
 そのため、生産緑地を所有している方は、この固定資産税が軽減されるというメリットを毎年感じられていることでしょう。
 ただし、この生産緑地は農地として維持することが目的ですので、宅地への転用や売却をすることは所有者の意思であっても行うことができなくなります。
 それでは、この転用等の制限はいつまで続くのでしょうか。解除するには、まず各市区町村に農地の買取りの申出を行うことになるのですが、この申出を行うことができる事由は次のとおりとなります。
A 生産緑地指定から30年を経過したとき
B 農地の主たる事業者が死亡したとき
C 農地の主たる事業者の病気、けがなどでBに準ずるような状態と認められるとき
 つまり、実務的にはいままではBの死亡したときという事由しか買取りの申出ができませんでした。  

3.納税猶予との関係

 生産緑地については、2で説明をした固定資産税の軽減というメリットのほかに、相続税の農地の納税猶予を適用できるというメリットがあります。
 生産緑地が指定されているような地域では、生産緑地でない限り農地の納税猶予を適用することができません。そのため、先代の相続の際に、生産緑地について納税猶予の特例を受けた方も少なからずいらっしゃることでしょう。
 生産緑地に対してこの納税猶予を適用した場合には、農地を引き継いだ相続人は終身、農業を行うことが求められます。万一、途中で辞めた場合には猶予されていた相続税と、その間の利子税を一時に納めなくてはならなくなります。
 つまり、納税猶予を適用している方は、税負担の観点からいって、生産緑地の解除を実際には安易に行うことができません。

4.面積要件の改正と2022年に向けて

 2022年は、生産緑地法の改正から30年が経過する年です。そのため、ほぼ全ての生産緑地について、市区町村への買取りの申出を行うことができるようになります。
 この申出を行うと市区町村は生産緑地を買い取るかどうか判断することになりますが、通常は予算枠の関係で買い取ることができないため、その場合には生産緑地指定が解除されることになります。そして、宅地転用や売却など自由な処分をすることができるようになるのです。
 このように、2022年以後は解除が増えると見込まれているためか、生産緑地指定の面積基準の見直しがされる予定です。内容としては、法律改正により各市区町村が条例によってその下限を300平方メートル以上にすることができるようになります。
 これにより、複数の農家で500平方メートルの面積要件を満たすように指定を受けた場合などでも、生産緑地の一部解除が可能となるでしょう。
 つまり、いままでは、複数の農家によって500平方メートル以上の要件を満たしているような生産緑地は、もし誰か1人が指定解除をして500平方メートル未満になってしまうと、他の方も一緒に生産緑地指定から外れてしまうため問題が生じることがありました。
 これからは、残りの農地が300平方メートル以上であれば、生産緑地の一部解除も行いやすくなります。

5.今後の対応

 生産緑地は、1固定資産税の軽減、2農地の納税猶予、と2つの制度を理解する必要があります。この2つの制度は別のものであるため、生産緑地であっても農地の納税猶予を適用していない土地も多数あります。
 2022年になると、多くの解除申請がなされるだろうといわれています。指定解除後は固定資産税の負担が増加するため、農地の転用・有効活用、売却などとセットに考えることが不可欠です。土地利用の今後の方向性をいまからしっかりと見定めておくことが大切です。
 
 
     
 

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