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え~っと通信 220号

不動産賃貸に関わる民法改正
~賃貸不動産オーナーの皆様が知っておくべき改正の内容は?~

    (2019年8月15日更新)   執筆者:米田 純子

  rire220  債権に係る改正民法の施行日が2020年4月1日からと迫っています。相続に関する改正の内容は色々と話題になっていますが、債権に関する分野でもいくつか重要な改正がなされています。そこで今回は、債権に関する改正項目のうち、賃貸不動産オーナーの皆様に特に注意していただきたい内容についてお話ししたいと思います。
 

 
   

1.極度額の定めのない個人根保証は無効

 個人が保証人になる根保証契約については、「極度額」を定めることが義務化されました。「極度額」とは保証人が支払いの責任を負う金額の上限のことです。今後は「極度額」の定めのない契約は無効になります。賃貸借契約書の連帯保証に係る条項には以下のような記載が必要になります。
 なお、極度額についての決まりはありません。賃料の1年から1年半程度は記載しておきたいところですが、過大な金額を設定すると保証人の合意が得られない可能性があります。今後は保証会社の利用なども併せて検討する必要が生じるかもしれません。

2.保証人に対する情報提供義務の新設

 改正民法では保証人のために必要な情報を提供することが新たに義務付けられました。不動産賃貸経営上重要なものは以下の2つです。
(1)賃借人の保証人に対する情報提供義務
   事業用物件の賃貸借契約を締結する際に、賃借人から個人の保証人に対して財産状況など一定の情報を提供することが義務付けられました。義務を負っているのは賃借人ですが、賃借人がその義務を怠っていた場合には保証契約を取り消されてしまう可能性があります。そうなると不利益を被るのは賃貸人であるオーナーの皆様です。今後、新規に事業用の賃貸借契約を締結する際には契約書に情報提供に関する記載欄を設けるなどして、賃借人が確実に義務を履行しているか確認する必要があります。ちなみに保証人が法人の場合、情報提供義務はありません。上記1.と同様、こちらのケースでも保証会社の利用は要検討です。
(2)賃貸人の保証人に対する情報提供義務
   賃貸人に対して保証人から請求があった場合には、賃借人の賃料について滞納がないか、情報提供することが義務付けられました。こちらは、事業用物件か否かにかかわらず適用され、保証人は法人・個人を問いません。賃借人の依頼を受けて保証をしている全ての保証人に対して適用されます。

3.原状回復義務の明確化

 改正民法では賃借人は通常損耗や経年変化による損傷については原状回復義務を負わないことが明記されました。
 具体例は次のようなものです。

4.敷金に係る規定の新設

 改正前の民法には敷金の定義や返還に関する定めはありませんでしたが、改正民法では以下のように定められました。
(1)敷金の定義
   いかなる名目によるかを問わず、賃料その他の賃貸借契約に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭
(2)敷金の返還
   賃貸人は賃貸借契約が終了し、賃貸物の返還を受けたときに、賃借人に対して受け取った敷金の額から賃貸借契約に基づいて生じた賃借人の金銭債務の額を控除した残額を返還しなければならない。
  上記の改正の内容はこれまでの判例や実務慣行をふまえたもので、新しい考え方ではありません。
 改正民法施行後も一定の通常損耗について敷金から差し引く旨の特約は有効だと考えられます。賃借人が負担することになる具体的な通常損耗の範囲を賃貸借契約書に明記しておきましょう。

5.改正民法の適用関係

 改正民法施行日前に締結された契約については改正前の民法、施行日以後に締結した契約については改正後の民法が適用されます。更新契約についても施行日以後に締結したものについては改正民法が適用されます。
 連帯保証人の極度額など従来の契約書に記載がないものはそのまま更新すると無効になってしまいます。
 思わぬ不利益を被ることがないよう、来春の民法改正に備えて、早めに既存の賃貸借契約書の内容をご確認されることをお勧めします。
 
 
     
 

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