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え~っと通信 228号

死因贈与をご存知ですか
~遺言が無効でも死因贈与で救われることがあります~

    (2020年4月15日更新)   執筆者:高木 康裕

  rire228  相続が開始すれば、誰が何を引き継ぐのかなど、財産の分け方を決める必要があります。決め方としては遺産分割協議を行うことが一般的ですが、遺言書があるのであればそれを利用することになるでしょう。ただ、これら以外にも財産を引き継ぐ方法として死因贈与というものがあります。
 

 
   

1.死因贈与とは

 死因贈与という特別な用語が使われていますが、あまり難しく考える必要はありません。あくまでAさんからBさんへ財産を贈与する契約に過ぎません。それでは一般的な贈与との違いは何かというと、贈与の効力発生が贈与者の死亡した時になっているということです。
 つまり、死因贈与は死亡を原因(条件)とする贈与契約ということです。
 遺言は遺言者が一方的に定めることができますが、死因贈与はこれとは異なり契約行為です。そのため、贈与者と受贈者の間では契約を結んでおく必要があります。
 なお、遺言とは異なり、必ず書面で行う必要は無く、口頭による両当事者間の合意でも有効です。ただし、書面が無いとトラブルの原因となりますので、実務的には契約書を作成することになります。

2.相続税の取り扱い

 死因贈与は前述のとおり贈与契約ですので、贈与税が課税されることになるのでしょうか。そのように思われがちですが、税務上では、あくまでも相続の開始を原因として財産を取得することから、相続税が課税される取り扱いになっています。遺産分割協議や遺言による取得と、税金上は変わらないということです。


3.仮登記することが可能

 相続を条件として効力が発生しますが、贈与契約はすでに締結しています。そのため、不動産であれば仮登記を入れることができます。この登記のことを始期付所有権移転仮登記といいます。
 遺言では仮登記をすることができませんが、死因贈与を利用することで、財産を取得する権利があることを保全することができ、登記に明示することができるのです。

4.登録免許税などは不利

 仮登記をすることもできるというメリットがありますが、相続による取得とは異なる税負担が生じるデメリットがあります。
 不動産の場合には財産を引き継いだ後に登記を行うことになりますが、そのときには登録免許税の負担が生じることになります。
 登録免許税は、固定資産税評価額に税率を乗じて算出します。相続人が遺産分割協議や遺言によって取得したときの税率は0.4%ですが、死因贈与の税率は2%となり、負担が5倍になります。
 また、不動産取得税の取り扱いにも違いがあります。相続人が遺産分割協議や遺言で取得する場合には非課税となっており、不動産取得税は課税されません。これに対して、死因贈与はあくまで贈与という行為による取得です。そのため、相続人であったとしても不動産取得税が課税されます。不動産取得税も同じく固定資産税評価額に税率を乗じて算出し、土地や住宅用の建物であれば税率は3%です。なお、土地が宅地の場合には実質の税負担率は1.5%になります。

5.こんなケースもあります

 あらかじめ締結した死因贈与契約ではないものの、死因贈与として取り扱われるケースもあります。死因贈与の応用編?とも考えられるような事例です。
 相続人はいるのですが、被相続人は世話になった相続人以外の親族へ全財産を遺贈する遺言書を作成していました。しかしながら、その遺言書は民法に定める要件を満たしていないため、遺言の有効性に問題が生じてしまったのです。
 こうなると、遺言は最悪のケースでは単なるメモに過ぎないということになってしまい、その親族は財産を取得することができなくなります。
 このようなときに、死因贈与を活用することが可能な場合があります。前述したとおり、死因贈与契約は口頭でも効力が生じるものであり、遺言書のような厳格な様式の要件はありません。
 そのため、被相続人の遺言は正式な遺言書としては利用できなかったとしても、生前から被相続人とその親族は遺言書に記載した内容を両者で認識していた。すなわち、贈与の意思を認めることができれば、死因贈与契約としては有効と考えることもできるでしょう。そうであれば、財産を取得できる可能性があるということです。
 実務的には、調停などを通じた和解で折り合いをつけるのでしょうが、遺言書に疑義があったとしても必ずしもあきらめなくて良いかもしれません。

.相続税の申告への対応

 死因贈与が認められ財産を取得したのであれば、申告は取得が決まってからになるでしょう。相続税の申告期限は相続を知ってから10ヶ月以内ですが、それが10ヶ月後であればその対応もその後になります。
 ただし、この場合に相続税申告を行う必要があるかどうかは、実務的には当初申告をした方の対応に左右されることになります。
 
 
     
 

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