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会社を設立する場合の形態について

247号
 
    (2021年11月15日更新)   執筆者:平松 敦之

  rire247  個人で多くの不動産を所有しているような場合、所得分散効果などから法人化を検討するのは自然な流れです。そしていざ法人設立を決意した際にどの法人形態にすべきか逡巡することもあると思われます。法人には様々な組織形態がありますが、今回は「会社」に焦点をあてて検討していきます。
 

 
   

1.株式会社と合同会社の特徴

 会社を設立するには、「株式会社」か「持分会社」のいずれかの形態を選択する必要があります。持分会社は合同会社・合名会社・合資会社に分類されます。このうち合名会社と合資会社は、原則として出資者は会社が倒産した時などに債務者に対して全責任を負うことになるためお奨めできません。したがって、株式会社と合同会社についてそれぞれの特徴をみていきます。
(1)株式会社 
 株式会社とは株式を発行する会社であり、出資者(株主)は出資比率に応じて会社の所有権を得ます。なお、出資者である株主が必ずしも経営を担う必要はありません。株主総会で選任された取締役が実際の経営を行うといった「所有と経営の分離」が特性となっています。もっとも知名度が高く、会社といえば株式会社を想見するのではないでしょうか。
(2)合同会社
 合同会社は、2006年5月施行の新会社法により、有限会社に代わる会社形態として設けられました。米国のLLC(Limited Liability Company)を手本としたといわれ、米国では株式会社と同程度普及しているようです。意思決定の迅速さや設立費用の安さが特徴となっています。認知度は徐々に高まっており、2020年に設立された法人の総数118,999社のうち合同会社は33,236社と全体の1/4超を占めています。また合同会社の設立件数は直近10年で3倍を超える増加となっています(出所:e-Stat「登記統計 商業・法人 年次2020」https://www.e-stat.go.jp/stat-search/)。
(3)それぞれの比較
 株式会社と合同会社の主な違いは下記のとおりです。


2.資産所有会社としての検討

 不動産を中心とした資産所有会社の設立を考えた場合、株式会社特有のメリット(株式発行による資金調達、社会的信用度、上場)の享受は大きくないのではないでしょうか。一方、合同会社は経営の自由度の高さ(出資比率に関係なく利益配分が可能)や設立・運営のコスト面(定款認証不要、決算公告不要)から株式会社1択でなく選択の余地はありそうです。ただし一点注意事項があります。合同会社が持分会社であるゆえの「資本と経営」の不可分原則です。不可分とは出資者(株主)と役員構成を切り離せないということです。すなわち役員になるためには出資が必要であり、役員を退任したい場合には出資持分を消滅させる必要があります。役員と出資が一対となっているため柔軟に役員を迎え入れることや、役員構成だけを変更することはできません。また、出資者の相続人がその地位を相続するためには、定款に相続時の持分承継の定めをすることが必要です。

3.組織変更について

 会社を設立したものの、やはり別の形態に変更したい場合には「組織変更」の手続きを行うことにより可能です。
(1)株式会社から合同会社への変更
  (a)総株主の同意
 組織変更計画書(組織変更後の商号、社員(出資者の氏名)その他一定の事項)を作成し、その内容について総株主の同意を得る必要があります。
(b)債権者保護の手続き
 会社組織変更の旨を官報に公告することが必要です。これに合わせ、会社として認識している個別の債権者に対して催告(相手方に対して一定の行為をなすよう請求すること)する必要があります。
(c)組織変更後の設立登記
 株式会社の解散登記及び合同会社の設立登記を行います。
(2)合同会社から株式会社への変更
  (a)総社員の同意
 組織変更計画書(組織変更後の商号、取締役の氏名その他一定の事項)を作成し、その内容について総社員の同意を得る必要があります。
(b)債権者保護の手続き((1)(b)と同様)
(c)組織変更後の設立登記
 合同会社の解散登記及び株式会社の設立登記を行います。

4.最後に

 合同会社はシンプルな会社形態でありメリットも大きいですが、役員構成を変更したいなど「資本と経営の不可分」に抵抗がある場合は迷わず株式会社です。なお、株式会社には資本金規制(1.(3)の表)があります。資本金の取り決めは法人税の軽減税率や交際費の800万円までの損金算入特例など税制優遇の適用にも影響するので非常に重要です。設立後の組織変更も可能ですが手数がかかるので専門家に相談し慎重な選択をしましょう。
 
 
     
 

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