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COLUMN

TOPATO通信固定資産税のハイテク化! 5158号

ATO通信

5158号

2005年7月29日

阿藤 芳明

固定資産税のハイテク化!

 お正月早々にヘリコプターや小型機による空撮、とくれば勘の鋭い方には何のことかお解りでしょう。そう、固定資産税の空撮による調査です。固定資産税は1月1日の現況で課税のため、正月の空撮はいいとしても、遂にこんなハイテク化が…税理士も知らなかった驚愕の事実をお知らせします。


1.固定資産税の課税単位

 固定資産税は原則として、『筆』と呼ばれる登記簿上の地番ごとに評価額が決まります。相続税の評価がこの筆と無関係に、利用単位ごとに課税されるのと較べ、大きな相違です。そして、最大の特徴は、その土地が住宅用地かどうかです。
 面積的な制限はありますが、住宅用地なら固定資産税は1/6にまで軽減されるのです。つまり、アパート敷地と駐車場とでは、同じ面積の場合、税負担が6倍も異なることになるのです。
 ただし、アパートの専用駐車場なら駐車場部分も1/6。とにもかくにも、住宅用地か否かは固定資産税においては死活問題なのです。


2.地積更正や分筆をすると…

 固定資産税は登記簿上の面積をもとに課税されます。従って、実測をし正確な面積が算出された場合、面積が減少するなら儲けもの。登記面積を変更(地積更正という。)すれば、連動して固定資産税も減少です。逆に増えた場合は要注意。その理由は言わずもがな、お察しの通りです。
 お客様にアパートと駐車場経営をなさっている方がいます。約300坪の大きな一筆の土地に、二つの駐車場に挟まれてアパートが1棟建っていました。登記簿上の面積より実際の面積が小さく、課税上不利であったため、その土地を実測し、利用形態ごとに分筆、地積更正もしたのです。登記面積が変更されたため、固定資産税も減額の対象となりました。そこまでは良しとして、三鷹市の固定資産税係からの通知にビックリ!次のような文面と写真が添付されていたのです。
 《◯◯様所有の下記の筆について、地積更正及び分筆がありましたので、宅地部分と駐車場部分のそれぞれの課税地積を再計算させて頂きたいと思います。別紙の通り算出致しましたが、◯◯様の方で地積測量図等により宅地部分と駐車場部分の地積が分かるようでしたら、より正確なものに訂正させていただきますのでご連絡下さい。》
 そして、下記の写真です。写真によるそれぞれの部分の面積が、小数点以下まで記載され、数㎡の誤差については登記面積による按分計算までなされていたのです。


3.知らない間に写真撮影、が世の動向

 考えてみれば、これくらいは当たり前なのかも知れません。今や高速道路の出入り口、繁華街のあちこちで知らない間に写真撮影は行われています。犯罪捜査にも活用されるほど、顔写真もバッチリなのです。これからは、すべての土地にシートを被せ、外出時にはマスクにサングラスが必須なのかも知れません。

※執筆時点の法令に基づいております